2013年06月

2013年06月30日

下校途中のナイフ切り付け事件~緊急提案~

昨日(6月29日)練馬で下校中の男子児童(3人)に男(47)がナイフで切り付けるという事件が発生した。私は教員講習時講習などで「学校の危機管理」などという話をすることが多い。教員は児童にどのように教えたらいいのか知りたがっている。教え方には幼稚園児、小学校低学年、高学年など年齢別の差異もあろう。   教案やレジメ、ポイントなど寄せていただけないか。私の段階でまとめて、本ブログでフィードバックしたいと思っている。よろしくお願いします。   たとえば、下の諸点は?これでいいの? ①一人にならない。一人になったら小走り。 ②間合い:一歩踏み込まれても、手などつかまれない距離(3メートルめど) ③大声「ウオオ~」と腹から出す。 ④全力ダッシュ ⑤つかまれたらダンゴムシになる(膝を抱えて小さくなる)。

kikitaiou at 07:48|PermalinkComments(1)TrackBack(0)危機管理 

2013年06月28日

電子情報収集に関し、米CIAと中国解放軍の違い~「中国も被害者だ」の中身~

  米元CIA職員の暴露で中国は自らのハッキング行為への非難を和らげたかの感がある。しかし、そうだろうか。両国の違いを整理しておく必要がある。   米国は個人情報の収集自体は認めている。国内法に基づいて(テロ防止の為に)情報を収集していたということだ。だから、スパイ活動取締法違反等の容疑で訴追した。主張が全て正しいのかどうかは別として、とにかく、法律に基づいての正当な職務行為と主張している。これに対して、中国は、情報収集行為自体を認めていない(事実を認めていない)。       ところで、ロシアの言い分もなかなか面白い。「ロシアの諜報機関はこれまで(容疑者と)一緒に仕事をしたことはない」から、露当局のモスクワ滞在への関与を全否定している。容疑者とは一緒にやっていないというだけで、他のものとはやっているとでも言わんばかりだ。    米国での批判もなかなか面白い。「(オバマ政権は)あまりにも無能」(ライアン下院議員)、「米国が外交的に脆弱なったこと示す象徴的な事件だ」(マケイン上院議員)など。「もっと裏でやっちゃえよ」というのが本音と言っているのではないか。    米国裏の本音として、(インターネット時代の今日)世界の情報の8割以上が米国経由となっており、米国は事実上それらを支配できているということに焦点があたることを避けたいということだ。    現在進行中の推移は、図らずも各国の本音が知れる絶好のチャンスのだ。   

kikitaiou at 21:14|PermalinkComments(2)TrackBack(0)危機管理 

<就活中の学生へのメッセージ>浮き足立たないで、これから“真の実力”をつけよ~ハウツーやマニュアルではないよ~

ランキングに参加しています。応援クリックお願いいたします。 ↓↓↓
人気ブログランキングへ  


     どこの大学でも3年次学生は浮き足立っている。学生だけでなく、教職員も必死なのだ。それにPTAが加わる。大学のキャリアセンターは非常事態突入ののろしを上げている。いわく就職力をつけさせるという行事などがぎっしりなのだ。あんちょこ講習で本当の実力はつくわけがない。
      どう見たって、どこかおかしいではないか。大切なのは、本当の人間力だ。人間力はあんちょこで備わるほど甘くはない。長い人生、焦らずに・・・だ。
     今まで、遊んできて、急に、就職力養成はないだろう。むしろ、しばし立ち止まって、自らの来し方・行く末を考えてみることだ。開き直って、「これから頑張ります」という態度で臨む方がよっぽどいい結果を生むだろう。あるがままで、若さで臨んでほしい。
     本当に自分にふさわしい会社を探すことは容易ではないよ。会社を探すつもりで、就職説明会に臨むことが肝要だ。1社から採用されればいいのだ。焦らずにがんばってほしい。

米国で広がる大麻解禁

既に、医療目的での使用はワシントン州など18州と首都で合法化されている。全50州の半数に迫っている。ワシントン州では、昨年12月、医療目的以外での、嗜好品としての売買・所持も解禁された。 ワシントン州では、専門店で医師の処方箋と身分証明書などを提出して、各種大麻製品を合法的に購入できる。患者なら大麻の自宅栽培も合法的だ。 大麻は中毒に陥る可能性はタバコやアルコールより低く、過剰摂取で死亡した例はないというのが推進派の主張だ。常習性や乱用に関しては様々な見解が存在する。 米国立衛生研究所によると、日常的に大麻を吸引する中・高校生6.5%。過去1年以内に吸引した経験のある生徒は36%に達するという。 麻薬への入り口となってはいけないので、禁止して、できるだけ遠ざけるのが正解とは思うが・・・米国の動向は注目したい。

kikitaiou at 17:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)危機管理 

感性豊かな生身の人間としての警察官を目指してもらいたい~DJポリスが誇らしかった~

  様々な人間の作り上げる世の中、警察官の仕事も正にその様々な人間に対処することに始まりそこに終わる。警察官には人間を極めることが求められる。とことん人間に興味を抱き、人間をよく観察し、その本音を見極めるように努めてもらいたい。 最近、警察官OBとして最も誇らしかったのは、渋谷のDJポリスの活躍の話題だった。 自然な形での「おまわりさんもうれしい」の一言で、多くの群集との一体感がかもし出された。冷静な感情の共有に勝る群集コントロール術はない。二人の現場の警察官の群集の感情を理解した見事な観察力のなせるところだった。 これからも共感の抱かれる執行を目指してもらい

2013年06月26日

自治体防災関係、雑誌投稿原稿(2011年)

          始めに   地方自治体で防災力を養成・向上させるための具体的な施策を提案・検討してみたい。危機担当職員も限られ、予算の制約もある中でいずれの自治体も危機への備えの必要性は感じつつもなかなか具体的な施策となると苦慮しているというのが実態。そうした中で、どこでも容易に実行可能なものという前提での論述としたい。各自治体はそれぞれの具体的な状況を踏まえ肉付けを工夫されたい。 1 基本事項   先ずは総論的に心得るべき点から始めたい。 (1)「自立した住民」を養成する(「情報公開」という原点の確認)   従来の「よらしむべし、知らしむべからず」という従前の官サイドの発想を捨てることから始めなければならない。大部分の自治体職員にあっては、既に意識は十分切り替わっているであろうが、潜在意識の部分で人間なかなか切り替わっていない部分があることに留意して欲しい。 防災において、例えば「ハザードマップ」のような住民の住居に関する危険情報も公開することは、住民をいたずらに不安に落としえるだけだとして、役所の中に留めおくというのが、つい20年ほど前までの感覚だった。有効な対策が打てて安心してくださいという形でなければ行政は情報を抱え込みがちだった。現在は、そうした古い感覚はなくなっていると思うが、どこかで引きずっている可能性がある。実は住民の側に行政への依存意識が強く残っている。例えば、危機発生時に対するあれこれ行政への注文が後を絶たない。そうした住民を前に自治体職員サイドにそうした住民の意識に逆らえないという意識が強く残っている。例えば、予算も職員も不足しているのに「最善を尽くします」などと言ってしまう。 現在は、情報公開が原則、取り分け危険情報は率先して公開することが原則だ。官ができることは限られている。「自助・共助・公助」それぞれが合い協力して危機に立ち向かうというのでなければならない。そのためには情報の共有、取り分け危険情報の共有が大前提となる。 自分と自分の愛する家族などの命は自分で守ることを繰り返し強調したい。役所としては、責任逃れのようにも聞こえるため、なかなか言いにくいかもしれない。しかし、阪神淡路大震災の教訓として、役所ができることは限られているという現実がある。家屋や家具の下敷きになって身動きならなくなったら、家族や近所の助けに頼らざるを得ないという実態は強調してもし過ぎることはない。 (2)企業・NPO・町内会など「広範な協力体制」の構築(「コーディネイト役」に徹する)   価値観が多様化している今日、さまざまな形の重層的な協力体制の構築を目指すべきだ。役所はそのコーディネイト役に徹する。しかもそれぞれの組織が自立的に行動できるようにしたい。それぞれが判断して、役所と共働するというのが理想だ。   現在、私は川崎市非常勤顧問(危機管理アドバイザー)を引き受けている。現役の市職員ではなかなか言いにくいことを言う役目を引き受けている(どこでも市役所に対して補助金が欲しいなどの要望・要求が出勝ち)。こうした中間的な立場の役割を担う人物を設けるのも有効だろう。  (3)訓練など実際に体を動かして覚えなくては実際の役には立ちにくい(参加者を増やせる訓練とする工夫)   マンネリになりがちなので、なんとか工夫して、住民の参加数を増やせるようアイディアを出して欲しい。起震車で大震災の揺れを体験し煙の中をハンカチで口を塞いでくぐるという体験はいざという時の役に立つ。   なお、休みに子供さんと近隣を歩き回ることも地域を立体的に理解する上で有益だ。最近の子供は学校と家、プラスの塾くらいしか行けないという人も少なくない。緊急事態発生時には常日ごろと異なる行動をとらなければならないことも予想される。そうした場合、子供が日ごろから周辺に明るいことは危機管理上のイロハなのだ。頭ではなく体で覚えた部分が危機対応では役立つものだ。 2 メールニュース「防災・気象情報」   名称はどうであれ、自治体に関連する緊急情報や地心情報、気象警報・注意報、天気予報、光化学スモッグ情報等をメールで配信するもの。災害時に先ず大切なのは、正確な情報を早く知り、適切に判断し行動することです。現在は携帯電話やパソコンで情報が流せるので、これらを有効に活用したい。予め住民に登録してもらいこれらの情報を発信するシステムは有意義だ。   行政に対する住民の要望事項の上位に早急な情報伝達への要求が挙げられる。しかし、実際には難しい。広報車の音声も届かないところもある。情報は住民自らの入手に努めてもらう時代。そういう意識になってもらうための日常的な広報努力を願いたい(この部分に関する住民の自治体への依存意識は思いの外根強いものがある)。 また、地上デジタル放送、コミュニティFMラジオ、防災テレホンサービスなど地域の災害情報入手方法の広報には一層力を入れたい。   * 川崎市役所HPヘッド参照(*) 3 防災協力事業所登録制度   災害時の被害軽減につなげるため、いざという時に協力し合うため、地域の事業所に参加協力をしてもらう。災害時に事業所がどんな協力が可能かを検討し、登録・表示してもらう(市民への広報・表示の普及努力は欠かせない)。 例えば、自治体は広報媒体を使用してあるいはHPなどに掲載するなどし広報する。事業所にとっては平常時における住民に対するCSR活動広報となるように工夫したい。いざという時に住民と事業所の協力が可能になるような体制作りのきっかけとなることを目指している。商店街の活性化などの施策とタイアップして地道に努力したい。地元の大学などへの働きかけも有益だ。   事業所の持つ組織力、専門的な技術・資機材は、災害時の地域にとって大きな力になる。講堂などを臨時の避難場所に提供してもらえれば近所住民は安心だ。運動場なども臨時の避難場所としては有効だ。これまでも尼崎列車事故、東海豪雨、阪神・淡路大震災などの事故や災害で、事業所の活動が、地域に大いに貢献した。   ①尼崎市列車事故(平成17年4月)     周辺事業所の従業員等がいち早く現場に入り、順次到着する消防・警察と協力し、大破した車両から被災者の救出、安全な場所までの誘導、応急手当、病院への搬送などを行った。   ②東海豪雨(平成12年9月)     スーパーマーケットの協力で、屋上駐車場に地域住民の車を避難させたことにより、車の冠水が防げた。   ③阪神・淡路大震災(平成7年1月)     事業所の自衛消防隊員が地域の消火活動に出動し、住民と協力して火災の拡大を食い止めたほか、事業所の体育館を避難場所に提供した。 4 企業・事業所に向けた防災対策ガイドブックの作成など   多様な防災取組が求められるが、特に企業での取組に期待したい。組織力がある企業での従業員の防災意識の高揚、業務継続計画の作成が有効だ。企業継続への事業所や工場などの耐震化から始まり、従業員用備蓄から周辺住民への支援などCSR活動へとの広がりが期待できる。    自治体はガイドブック作成から始まり各種機会を駆使して企業・事業所・業界団体などの協力を求めるべきだ。自治体はHPなどを業界別に分類するなど活用しやすく工夫して企業等の防災取組を紹介・支援すると同時に社会的なインフラ化するよう努めたい。    静岡県、東京都千代田区(**)など先進的な自治体の事例を参考にそれぞれの工夫を加味した取組を競ってもらいたい。 5 市民の協力促進   例えば、緊急時の飲料に提供される井戸をお持ちの市民にはその旨ご近所に表示してもらうといった取組は是非促進すべきだ。できれば共通のマークなどを作成したい。企業の緊急時の協力可能な分野を表示するのと同趣旨だ。薄れがちなコミュニティの再構築のきっかけにもなろう。   市民への広報について。様々な広報手段があるが、地域FM放送などは緊急時のローカル情報入手の有力な手段になる。自治体は普段から危機関連情報入手手段としてFM放送の内容充実に努力すべきだ。例えば、川崎市では地域情報を扱うFM川崎で、市民の危機管理への意識向上・話題提供を目指す「わが家の危機管理」(毎週月曜日朝夕5分間)、主に防犯情報を扱う「地域安全かわら版」(毎週月~金曜日朝夕15分)といった放送を行っている。   6 自治体内部での検討事項 自治体内部で防災への取組として考えるべきことは少なくない。それぞれの具体的条件に応じて検討してもらいたい。以下、その際の主なものを参考までに列記したい。 (1)宿直態勢、緊急時の参集体制の時系列に基づく検討・・・自転車、バイク使用を前提にして考えること。    (2)所掌事務として防災と防犯を一体的に考える・・・わが国では組織は縦割りになりがちだ。警察と消防のそれぞれが町内会などに別途の組織を作っている。自治体はその一体的な運用に努めたい。 自治体の組織でも交通安全、防犯、防災などが別の組織になっていないか。 (3)職員の緊急時への備えという意識を促すための工夫・・・日常教務の忙しさに紛れ、緊急時への意識は薄れがちだ。内部昇任試験での出題なども駆使して関心を高めたい。 終わりに    本稿では自治体として人員と金のかからない施策を取り上げた。自治体は住民や企業・団体の協力を促すコーディネートとしての役割に立つという発想で可能になる活動は少なくない。

kikitaiou at 18:18|PermalinkComments(1)TrackBack(0)参考資料 

川崎市内の企業安全管理者向けの講演レジメ(2010年使用)

ランキングに参加しています。応援のクリックをお願いします。 ↓↓↓
人気ブログランキングへ  {結論}防災都市川崎市を担う中核業者としての決意を期待 ・・・市民・近隣から信頼され、イザという時に頼りにされる ・・・安全向上のための更なる努力を    「次の世代に残すべき宝」・・・安全安心という街の宝    人間の命の大切さ・・・いとおしむ心・過信は命取り              事故原因調査に多く見られる「意外な」の意味するもの 忘れてはならない自然災害の破壊力  災害被害は最小限に減らすことはできる・・・「備えあれば憂いなし」 * 「他山の石」・犠牲者の残した教訓・・・生きた教訓(知恵)はあふれている * 中越沖地震での柏崎刈羽原発の事例は教訓に満ちている<複合災害> 1 雲仙普賢岳噴火災害の経験から:専門家を超える分野が多い (1) 思いもよらぬこと(危機)への備え・・・マニュアル万能ではない 奇麗事ではすませられない・・・他人事ではない 街のリーダーの心得・・・鐘ヶ江島原市長のひげに示した決意 (2) 頼っては命を失う・・・皆に付いていっては危ない・・・将棋倒し 愛する者の身は自分が護るとの決意 (3)持久戦に弱い/忘れやすい・・・日本人の特性 (4)タフ・ネアカ・・・頑張り過ぎない・人間は壊れやすい (5)地元の団結力・・・復興は団結力から・助け合い・・・街の日常活動から 2 危険物取り扱い専門業者、「プロとしての自覚」「自主的取り組み」が原点   危険がいっぱいの環境下での業務という認識   交通事故を考えるだけでも・・・最大の敵は「慣れ」     求められる日常業務での基本遵守への取り組み *遠心力と積荷の重心移動 *常に創造を超えた現実*人間がとっさにとる想定外の行動 「真のプロとなる決意」   「基本に忠実」ということ・・・いずれも根底にあるのは「人間」   企業の安全リーダーとしての率先垂範・実践を期待          プロ:「自らへの厳しさ」が要件 「自らへの厳しさ、他人への寛大さ」       3 会社ぐるみの防災拠点化・・・地域社会への貢献(CSR経営)   事業者は地域の防災拠点:先ずは更なる安全性実現への決意               情報公開・耐えざる錬度向上努力   専門知識を生かした日常的な地域への協力   地域からの期待:貢献力を磨いてもらいたい「何が貢献できる」の問い 4 慣れ、過信という「驕り・慢心が最大の敵」   人間のやることに、100%は存在しない。 100%を目指して絶えず反省し努力するのみ。    危機管理は「他山の石」の学ぶ姿勢から。他者(社)の失敗を我がことに引き寄せて。   専門家といえども例外ではありえない。日進月歩の更なる安全への歩み。    例えば、 ① 中越沖地震での柏崎市刈羽原発の事例に何を学ぶべきか。       活断層に関する不完全な調査実態、想定外の揺れ       火災発生時の消火体制、通報体制、化学消防力(役所の設置基準に関わらず、自ら専門家としての判断で)、水の出ない状態での対応力、情報公開、 記者会見etc.       ② 比較的最近注目されだした長周期波動     ③ 液状化     ④ テロ・ゲリラ対応     ⑤ フェールセーフ・・・危機状態が発生してしまった時への対応 5 すべての前提、「わが身と家族の安全/安心」から       家族の危機対応力の劣化が生じていないか    「たくましい野生の力」・・・一人一人の人間としての生命力     現代社会の便利さが間違った過信を生んでいないか      6 危険物防止アクションプラン     法令に基づく点検、日常点検の推進。推進重点項目、諸対策への取り組み 7 「公」の再生      日本的パブリック(共生社会)の再建を目指して     「安全で快適に暮らすまち川崎」の実践/体現 資料1 阪神淡路大震災(95・1・17 AM5:46)     死者6400余人、重症約1万人、全壊10万余棟(内全半焼約7500棟)     避難所生活者30万人余     停電260万世帯・・・応急復旧完了まで6日     断水127万世帯・・・最長3ヶ月     ガス86万世帯・・・最長3ヶ月 [死因]倒壊家屋の下敷き(圧死)・・・84% 火災死・・・12% [推定死亡時刻]大部分は10分以内に死亡 *生き埋めになった(自力では動けなくなった)人々の10%は助け出せる可能性がある *餓死した人はいない  [西宮警察署管内の状況から]宿直26人、一瞬下敷きになったのは約1000人、 内助け出された人は100人弱 資料2 大震災への対応シュミレーション    3日間・・・行政も市民も全力で協力しての人命救助          「生死~勝負の72時間」「近所の助け合い」    3週間・・・皆で何とかして「日常生活の維持」    3ヶ月・・・復興へのめど(防災都市化への配意) 資料3 首都直下型地震被害予測【中央防災会議05・2・25】午前8時発災    死者1万3千人(内新宿周辺地下街でのパニック死40人)    エレベーター内への閉じ込められ・・・1万余人    自宅で暮らせない700万人(1ヵ月後270万人)    水道復旧率4分の3・・・4日後     95%・・・30日後 資料4 地震で生き残るために ①動けなくならないこと・・・家を安全に(耐震補強・転倒・落下防止・・・自宅を最善の避難拠点化)②グラッと来たらとっさには身を小さくして頭を護る③避難ルートの確保(倒壊家具などがつっかえ棒になってドアが開かなくならないか/子供部屋のドアが外から開けられるか)④多くの人がいるところでは将棋倒しに巻き込まれないこと⑤落下物に注意(ガラス・看板などに備え頭を護って離れる)⑥正しい情報(流言飛語に注意)⑦スリッパ・ズック・軍手(一番多いガラスによる手足の傷)⑧パニックにならない(臨機の判断)⑨2~3日食べなくとも死なないとの構え⑩避難所生活は開き直り(神経質にならない・頑張り過ぎない)

kikitaiou at 18:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)危機管理 

市民向け治安関係に関する講演レジメ(2011年2月)

はじめに   刑法犯認知件数8年連続減少中(2010年158万件、昭和62年レベルに回復)   体感治安改善せず(特異犯罪の時代?) 1 やまない無差別(通り魔的)事件・・・暴走の印象   08年     1月5日、品川区商店街で高2男子、包丁で男女5人切りつけ     3月23日、土浦市で男女8人が男に刺され1人死亡、7人ケガ     6月8日、秋葉原の歩行者天国に男がトラックで突っ込み通行人をはねて次々にナイフで刺し、7人死亡、10人ケガ<進学高校・派遣労働問題   10年     12月17日、取手駅前路線バスでの中高生ら14人包丁・ナイフで切りつけ <27歳男子「人生終わりにしたかった」、職を転々(包丁買ったのは1年前に会社辞めた時期)、ひきこもり<覚せい剤反応あり(心神耗弱?) 1月4日、土浦ホームセンター駐車場で包丁切り付け男<ひきこもり 2 ホコ天2年7ヶ月ぶり試験的に再開(11・1・23~日曜日毎)   区、町内会、商店会など運営委員会、「風紀乱す行為許さぬ」・・・路上でのパフォーマンス、物品販売など一切禁止。ホコ天と車道の境は工事現場で使われるバリケード設置。   反対してきた地元町内会は「治安の維持を第一に」と要望   *運営委員会は約50台の監視カメラ設置   *町内会は防犯カメラ16台管理運用   *加藤智大被告(28)、死刑求刑、判決(3・24)     <自分を無視した者に対し自分の存在をアピールし、復讐するため(検察動機) 3 ひきこもり・・・様々な推定数値:26万世帯、6箇月以上ほとんど家から出ていない人推定70万人(内閣府15~39歳)・・・半数30代(高齢化) (1)社会に原因か・・・職場問題、病気、就職活動の失敗など (2)精神障害か・・・多くの場合何らかの精神障害が伴っている   *「妄想性障害」・・・中大教授殺害事件など「心神耗弱」責任能力の有無 4 警察の役割・・・任務拡大に死角はないか 終わりに  若者に夢を与えられない社会では将来が心配だ <参考情報> 1 監視社会化でいいのか    * 街に溢れるカメラ 2 ひきこもり傾向の者(予備軍)155万人      * 3大原因・・・職場問題、病気、就職での失敗   日本人新人社員、海外で働きたくないとする者5割(09年)      ①リスク高い②能力に自信ない   *主要原因は職場での不適合、就職での失敗・・・自信喪失 3 日本が今より良くなるとする者が半数を超えるのは30年後との回答   重要な問題①雇用②政治力③経済力                 (11年1月連合調査より) 4 35~39歳男、親と同居する者41.6%(未婚率30.6%)  * 不況で急速に晩婚化  若い男性(16~19歳)セックスに関心ないとする者3分の1   セックスレス夫婦(1ヶ月間関係なし)40%超            (16~49歳対象の11年1月厚生労働省調査) *「草食化」裏づけ? 5 ベネチアの「守旧的性格」   冒険避け、過去の蓄積で生活を享受しようとの消極的傾向。   生活水準維持するためか貴族男性の未婚率60%にも。 6 人口の自然減、初の10万人超(2010年)   出生数107万人、死亡数119万人 7 死刑の永山基準(最高裁83年)   事実上の死刑選択の基準として用いられている。   ①罪責②動機③犯行態様、特に残虐性、執拗性④結果の重大性、特に被害者数⑤遺族の被害感情⑥社会的影響⑦被告の年齢⑧前科⑨犯行後の情状   以上9項目を総合的に判断して、刑事責任が極めて重く、やむを得ない場合は極刑も許される。                            2011年4月13日資料                 裁判員裁判について                ~制度見直し論議~ 始めに    安全安心を担う国民・・・肯定的に受け止める経験者 捜査関係機関への刺激 1 供述調書重視(調書中心主義)から証言重視(公判中心主義)      物証など客観的証拠重視/取調べの比重軽くする. * 供述と異なる調書作成指示あったとする検事46%。(全検事対象意識調査) <不適切取調べ横行 2 捜査の要諦・・・引き返す勇気・・・綿密に捜査し慎重に起訴 3 可視化 ・・・求められる現実踏まえた複眼思考      録音・録画の長短 4 ケーススタディー(1)子供対象の性犯罪者      過去5年間の出所者(13歳未満の子供への強制わいせつ、強姦など暴力的性犯罪者)740人対象の調査結果            105人再検挙            200人行方不明     * 2010年強制わいせつ事件7028件(警察庁刑法犯認知件数より)     * 性犯罪者やDV加害者にGPS常時携帯義務付け、警察が監視条例検討(宮城県、1月)       韓国、米国などで実施している。 5 ケーススタディー(2)連続リンチ元少年3人死刑確定(最高裁3.10)少年法? 6 警察官の問題点      人材供給。教育・養成に要する時間。      萎縮効果招く側面。 終わりに・・・成熟した国民への信頼 参考情報 1 実施状況(09年5月21日施行~10年3月まで)    判決言い渡し・・・合計444人           強盗致傷115人、殺人100人、覚せい剤取締法違反47人など 自白324人、否認120人 実審理期間平均5.5日 平均開廷回数3.5回 裁判員経験者のアンケート調査結果・・・審理内容が分かりやすかった70.9%   経験してよかった96.7% 2 検察特捜部問題・・・厚生労働省村木局長に対する見込み捜査(10年)             隠蔽体質? 3 オウムに対する捜査遅れの反省・・・批判を恐れ対応が遅れた警察             タブー視された(宗教という)存在の盲点            <手足縛る結果になった。<ブレーキとアクセルのバランス。 4 足利事件(再審無罪)の問題点・・・初動捜査高度化・証拠収集強化 5 犯罪の追跡可能性の拡充 (1)自動車ナンバー自動読み取りシステム (2)携帯電話通話履歴(解析) (3)防犯カメラ(画像保存期間)の有効活用 6 犯罪被害者支援施策    一層拡充させる必要 7 任意取調べ30代男性会社員に「人生むちゃくちゃに」暴言大阪府警部補(34) 起訴事実認める:脅迫罪初公判(2・21) 東署取調室や車内で。録音。3時間の取調べの冒頭わずか? 8 少年法   山口県光市母子殺害事件被告(犯行時18歳)死刑    9 死刑適用の永山基準(83年最高裁) ① 性質②動機③態様④被害者数⑤被害感情⑥社会的影響⑦年齢⑧前科⑨犯行後の情状                             年月日資料              秘密漏洩罪 ~ネット上の公開は正義か?~ 始めに    IT技術の進歩という構造変化    対応遅れる企業&当局 1 民間告発サイト・ウイキリークスによる米公電漏洩     25万点ということの意味・・・無差別漏洩     陸軍マニング上等兵による流出行為     主宰者アサンジ容疑者の逮捕(12・6)・・・元ハッカー     もともと開かれた社会米国では謝罪で済むも、閉鎖社会の中国やロシアでは     体制崩壊にもつながりかねない<警戒心が強い。大勢避難の声を徹底的に取り締まる。 2 海保職員の尖閣沖衝突映像の漏洩・・・逮捕せずに任意捜査(10・11)・起訴猶予(11・1)     実質秘か?国民の支持配慮。     官房長官(仙石)の批判。 3 警視庁外事3課情報漏洩     情報収集の為に警察官になるという存在を前提とした情報管理     秘密保持の難しさ 4 ツイッター革命(チュニジア政府崩壊11年1月)・・・民主主義への希望      ネットでの焼身自殺映像     報道規制・情報管理のできにくい時代<情報を公開させる有力な武器      *開発独裁国家の民主化促す 5 ソニーゲーム個人情報1億人超流出(11・5判明)     1人最大100万ドル(8千万円)補償 終わりに <参考> 1 国家公務員の守秘義務(国家公務員法100条1項)・・・1年以下の懲役または50万円以下の罰金   地方公務員の守秘義務(地方公務員法34条1項)・・・1年以下または3万円以下の罰金 2 秘密・・・形式的指定かつ非公知の事実で実質的にも秘密として保護するに値すると認められたもの(最決昭和52・12・19) 3 尖閣映像流出「日本や世界になにが起きているか知ってもらいたかった。国民の一人として日本の将来考え、子供達のためにもやった」(2・9)国会内での議員連盟創生日本会合での発言(非公開)。

kikitaiou at 18:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)参考資料 

防犯設備士向けの講演レジメ(2012年)

  私からは、危機管理関連事象があれば可能なかぎり現場を見るように努めています。阪神大震災、中越地震、今回の大震災も直後に現地に入って、災害の現地での実情を見てきた。それらの経験及び現場で感じた教訓などを踏まえて「防犯設備士という立場で、何が今求められているのだろうか」という視点で講演させていただきます。 1.危機管理意識の浸透!私は、川崎市の顧問・危機管理アドバイザーの仕事を兼任しております。震災当日の3月11日も、たまたまですが、川崎市の危機管理室で地震に遭いました。同市の危機管理室は、総務局に属しており、各局に対して様々な危機管理事案の調整を行う組織として創設されました。私が提案し、新しく立ち上げた「危機管理室」なのですが、必ずしも私の思ったようには機能していないのが実情です。危機管理事案が発生しますと多くの部局は、特に面倒な危機管理事案などを、「危機管理室」へ投げてしまうような状況であるのです。非日常的な業務という捕らえ方をされがちな危機管理の難しさを感じております。震災当日、私は危機管理室で震度5強の揺れに遭い、すぐさま机の下にもぐりましたが、危機管理室で潜ったのは私だけです。日頃から市内の各区役所、学校等に出向き様々な方に地震発生等の災害発生時の対処方法含め危機管理の大事さなどを講演して回っていますので、率先垂範した次第。 2.過去の震災経験を活かせ!阪神淡路大震災では、約6,000人の方が亡くなられましたが、その約90%の方は頭、胸などを潰されて即死の状態でした。午前5時46分に阪神淡路大震災が発生し、6時の時点では9割近い方が亡くなられていたのです。阪神大震災での神戸市では、特に住宅の状態が悪く、様々な形で市民の方の対応が遅れたことなどが要因で、多くの方が亡くなられたのではないのです。川崎市だって大同小異でしょう。私は、川崎市の講演では阪神大震災での実例を挙げ、過去の震災経験、特に神戸市の経験を活かすよう常に話しております。 3.震災発生時の危機意識行動への対応川崎市では、震災直後に市長を中心に全部局長、全所属長を集合させ、直後に対策本部会議を設置して情報収集にあたりました。特に一番に対応したことは、帰宅難民対策として、川崎市の市営バスの増発、終夜運転を即座に決断し、終夜運転の措置をとり、アナウンスをいたしました。その結果、川崎市は関東周辺で最も滞留者が少なく、ターミナル駅での夜明かし対策の措置もとり、滞留者の数を極端に少ないかたちにもって行くことができました。また、帰宅したいという人間の心理に対してどのように対応するか。とにかく真夜中になっても、バスが走っているということによって、どの程度行動が変化するのかを確認することができました。 4.被災地での経験の集約震災直後から私は浦安市(液状化で被害)、旭市(千葉県銚子市の隣の市で津波災害が大きかった)をはじめとして、宮城県石巻から福島県境にかけての宮城県の海岸線を中心に現地に入りました。 川崎市からは消防特殊部隊が福島第一原発直近および東京湾岸のコンビナートに職員を派遣していた関係もあり、派遣職員とともに被災経験を集約共有するなど有益な経験をしました。 ①企業の被災現場への業務対応姿勢例福島第一原子力発電所の周辺地域に対して、最後まで流通関係で入っていたのがN通社のみであり、多くの流通関係者は入らなくなりました。N通社の社員は、グループ毎ガイガー計数器を持って、福島第一原発周辺地域に入っていました。N通社社員は、勤務終えて自宅のある仙台市(福島第一原子力発電所から100km圏程度)の自宅に戻っても作業服の中のガイガー計数器が鳴っている状態であり、福島第一原子力発電所から100km程度離れている仙台市の中心部においても風向きによって、放射性物質が飛散していた状況にあったと思われます。 ②海外メディアと日本メディアの乖離世界の国々が報道している日本の地震、津波などの映像は、日本国内で流されている映像とは異なっています。日本はご遺体、或いはまさに命を失っていく、その直前の状況も映しません。これは日本人的な様々な配慮がされています。ご遺族や様々な関係者に対して悲惨な状況を映像として出すことが憚られており、出すべきではないという配慮が、日本では非常に行き届いています。海岸で津波に犠牲になられた方々のご遺体が、宮城県各地の海岸線地域の震災直後は多くあったのですが、日本の報道では映していません。ところが、海外の報道は映しており、ヘリコプターなどから自動車が逃げ、津波に飲み込まれている状況をリアルに映しています。海外では津波に巻き込まれる状況を映していますが、わが国では車を運転している方とか、中に人がいる映像は全部隠しています。このような報道姿勢等を見ると、日本人の私たちは様々な意味で考えなければならない部分があります。真実を直視していない傾向がないかと・・・。 ③被災地の実態被災地は非常に鎮まっていて、日本人は我慢強くて、そして略奪が起きていないと報道していますが、実態は略奪も起きており、様々な混乱した事象も起きていました。そして被災された方々、或いは福島第一原子力発電所周辺で生活していた住民の方々は、自宅を離れていることにより自宅の盗難や、その他様々なことを心配されていました。事実、そうした心配されていたことが起きており、仙台市などでも、水を被った地域のスーパーなどでは、震災の翌日ぐらいに商品が全部なくなっていました。自動車が外に停めておきますと、夜間にガソリンが全部抜かれています。このような実態について、震災後の1週間、2週間後に現地に入り、そこにいる方々と私たちの集会でもって本音で話すような機会を持ちますと、現地は報道のきれいごととは大きく違っていました。また、正規の流通ルートではない、知り合いとか個人的なネットワークなどで物資の確保はサバイバル状態でした。こうしたルートがない方は非常に困っている状態であったことなど、様々意味での実態を踏まえて防犯設備協会としての対応を考えなければならないということ感じました。 5.国民が求める安全・安心ニーズのビジネスチャンスにどう応えるか!私は、防犯設備ということを考える上で、いろいろな大事なことがあると思います。今国民は、安全・安心について考え方を大きく刺激されて、今もう変わっています。その国民が何を求めているか、国民が求めているものをどれだけ提案できるか。協会に限らず、業界として、或いは個々の企業として、この今の時期に安全・安心のニーズにどれだけ応えることができるかが、役割として期待される組織のビジネスチャンスであります。昨日と同じような考え方で、今の時代をやっておられる方はむしろ怠慢ではないでしょうか。今ほどビジネスチャンスに富んだ時はないのではないのです。特に、東日本、そして東海、南海、中南海という巨大地震というものを身近に感じている国民が、様々な意味で安全・安心に関しての考え方、どう備えるかという視点で、今大きく揺さぶられているということだと思います。 6.防犯設備業界が様々なビジネスチャンスに取り組むことは重要今、例えば保育園・幼稚園・学校、或いは、お住まいになっている団地とかで様々な意味で家族の安否確認をしたい、家族は今どうなっているのか、或いは日常にあっても家族の安全を確かめたい、そしてより安全な暮らしをしていきたい思いが、今ほど高まっているときはないと思います。今、幼稚園・学校などの紹介パンフレットなどで、皆さんの「お子さんが今どうしているかということがカメラですぐ見られるというサービス」を提供するビジネスが人気の的になっています。私は、高層マンションの20階に住んでいます。震災当日、このマンションのエレベーターが事実上終日、全部ストップしていたのです。ご高齢の方をはじめ、皆さん階段を上っていくということについて、かなりの方が苦労されておりました。従って、数日間エレベーターがストップしても様々な生活が維持できるための備え、これは非常に重要です。みなが共通の意識になっている今がチャンスです。また、マンションの2階か3階ぐらいまでしか行けない方が仮眠できるような施設の設置、様々な形で確認できるようなカメラの設置等を含めたものも非常にチャンスだと思います。防犯設備協会としては、今はハードだけに固執されず、そのハードを踏まえて、ソフトでどれぐらい安全・安心を日本人が求めている、心の隙間にどれぐらいサービスを提案できるか、或いは専門家としてその方々に寄り添えるかということだと思います。従って、今マンションや団地、あるいは町内会でも、こうした防災、防犯等、安全・安心に関する取り組みというのが、非常に今刺激を受けています。国民のそうした気持ちに最大限寄り添って、どの程度皆様方がその専門家として、様々なコンサルタント、情報提供、商品を提案することを含めて、このビッグチャンスをどの程度活用できるのかが、大変大きな問題だと思います。今、治安はどうなるのだろうかという疑問があります。自分の子どもや孫が大丈夫だろうかという思い、アメリカとか諸外国で、様々な形で治安の悪さが情報として存在しています。これらに対して、日本も同じようなことになってしまうのではないかとする、そうした安全・安心に関しての、何らかの新たな取り組みをしなければなりません。今、国民がどのようなことを心配し、どのような感覚でいるのか。そうした今のようなことに、どの程度敏感に寄り添って提案していけるか。皆様の業界がこのチャンスをどの程度手にすることができるかが、今かかっております。東日本大震災では、200人以上の自治体職員が犠牲になっています。そして消防団員も約200人の方が犠牲になっています。400人を超える被災職員であり消防団員が、岩手、宮城、福島の3県で犠牲になっているという状況あり、このようなことがあってはなりません。南三陸町の防災無線で最後まで避難を呼びかけていた職員は、津波の犠牲者になり、その行動が大変賞賛されました。しかし、危機管理の観点からは、大きな問題であり、日本人の危機管理がいかにできていないかという証です。少なくとも避難所、或いは災害対策本部、市役所庁舎、市役所が避難所と指定している公民館等で犠牲者が出るということは、あってはならないのです。そこに行けば助かるという状況でなければならなりません。また、消防団員の方も水門を閉めるために出向き、津波の直前まで危険な思いをし、津波の犠牲者になりました。まさに防犯設備協会の皆様にとっては、人に代わって、カメラや様々な形で新たな提案が当然なされてくる。そしてそれがまさに今の時代のニーズに合っています。各自治体などが、海岸線の状況から始まって、様々な情報収集をするために、足稼がなければならないものもありますが、危険な部分については、様々な設備を使うことが、皆様の新たな提案によって補うことが非常に求められていると思います。 7.過去の地震に学ぶことの大切さ関東大震災から9月1日で88年が経過しました。安政の東海地震から160年余りです。過去から地震は、一定周期的に起きて来ましたが、現在の地震の周期の平均値は完全に超えています。東日本大震災は、貞観の大地震が1,000年前の地震であったということです。869年と言いますから、ほぼ1000年を超えて、約1,100年前のことです。なお、6,000年ぐらい前に亘って、地層などを三陸海岸などで調べた学者が、6回ぐらいそのような津波が押し寄せているという研究発表もされています。要するに1000年ほどの間隔で、大地震、大津波というのが繰り返されています。私たちが今住んでいるこの地域で関東大震災、東海地震、これは過去の周期をもう超えている。そのようなことが何を意味しているのかということを、しっかりとお互いに見つめなければならないということだと思います。なお、約1,100年余り前の貞観の地震の時には、前後数年間を少し見てみますと、東海地震も起きていれば、富士山も噴火していました。過去の地球の営みを私たちが住んでいる地域、この日本の土地の災害の過去の状況について、お互いに謙虚に学ぶことは大変重要です。そして、当防犯設備協会の皆様方がどれぐらい真剣に呼びかけることができるか。そして提案できるかということ。それが私たちの任務ではないかと、長年ご一緒にさせていただきました者として、感じております。 8.想定外想定内、想定外という言葉でございますが、危機管理には想定外というのは禁句です。それに備えるというのが、まさに危機管理です。私たちは想定外という発言を、危機管理に携わる専門家としては決して言ってはならないのです。東日本大震災での犠牲者約2万人ほどの方々の声なき声に何を学ぶかということが、私たちにとって最も大事なことではないかと思います。 9.津波から教訓今回の場合、大きな津波が多くのところで6波から7波観測されています。特に、旭市の飯岡漁港を襲った津波ですが、この第1波は、さほどでなかったため、避難所から多くの方が自宅に戻り、第2波で多くの方が津波に呑み込まれました。様々な形で言われていますが、第1波が最大とは限らない。第2波、第3波の方がより大きな波が来ることがあります。そして旭市で犠牲になられた多くの方が第2波であったということです。家の片付けに帰った方が犠牲になっていました。なお、大洗市と旭市を一概に比べられませんが、旭市の津波が高かったのです。それにしましても似たような津波で、片方の大洗町は犠牲者がゼロなのです。旭市は犠牲者がどうして出たのかということなど含めて、私たちは具体的に話を持って行って、様々な知恵をつないでいく仕事をしなければならないと思います。大洗市は「自宅に帰るな」という防災無線の放送をしているのです。マニュアル通りの放送をしていないのです。多くの自治体がマニュアルを作って、防災無線のシナリオを書いています。これが逆に、私どもは非常に生真面目ですからその通りやろうとする。危機に臨んではその通りやってはだめなのです。臨機応変にいかに危機感を伝えることができるかが重要です。そして避難したこと後、ある程度時間が経って、家に帰ろうかという動きをしている時間に「家に帰るな」と、そのような放送がどの程度、臨機応変になされていたか。これを調べてみますと、旭市と大洗市では、大洗市が非常に臨機応変な放送をしていたということが指摘できます。このようなこと含めて、私も川崎市をはじめ東京都立川市や千葉県柏市、その他2、3の自治体含めて、各市の危機管理担当官のマニュアルづくりに携わりました。 しかし問題はマニュアル通りに行かないということなのです。例えば私が関係しました立川という市で見ますと、1時間以内に自宅から市役所に何人が出て来られるかを調べてみると数少ないのです。実際に誰がどのようなことをするという形ではなくて、何を捨てて何を優先にするのか、そして態勢が整わないときにどうするのか、実態に即したことが求められます。 10.地域コミュニティへの防犯設備の提案は重要阪神淡路大震災では、神戸市役所の職員は当日出勤していないのです。出勤している人は10%に達していませんでした。一方、神戸市内の警察職員の出勤率は97%でした。ある意味でわが家が被災しているときに、自らの仕事として市役所に出て行くという意識が、少なくともなかったのではないでしょうか。大都会では、行政と住民のコミュニティが希薄であり、行政が様々な施策を打ち出してもうまくいかないケースがあります。町、村とレベルでは、行政と住民が皆顔見知りであり、様々な意味でコミュニティが取れており、うまくいっています。そうした意味で私たちは、どれぐらいそうした顔の見える関係を作っていくか。特に、都会にありましては価値観が多様化しています。それらを多重的に会社であり、職場であり、あるいは町内会であり、NPOであり、あるいは様々な形の取り出す人間関係を作って行く。そのような機会を踏まえて防犯設備という立場から、私たちは何を提案できるか。そして益々人間に代わる、そして人間によりやさしい、人間の心に寄り添うような防犯設備、そして防犯設備士というソフトを含めた仕事の提案。そしてまず第一歩の活動が、今まさに求められていると思います。 11.トータルとしての防災・防犯の             提案が必要 多くの場合は、原子力災害の一つを取っても、自身に際して原発本体は大丈夫なのです。原発本体の近くにあって、消防署に緊急連絡する電話が置かれている部屋の戸が開かないなどで通報できない。 また、東京湾に面したコンビナートで大きな爆発が起きていましたが、本体は大丈夫でした。ところが、本体でない部分の強度が非常に弱いことによって、本体が連続して爆発した結果になっていました。 このようなことを踏まえて、トータルとしての防災、トータルとしての防犯の提案を私たちは、個別の家だけではなく、町ぐるみ、団地ぐるみ、会社全体などの大きな目で捉えた提案を発信していくこと、今回その必要性があると、大きく犠牲者の声として、私どもに語りかけられていると思っております。 12.福島第一原子力発電所(福島原発)の対策福島原発につきましては、考えてみますと、津波に呑み込まれても電源がダウンしないようにすること、津波の水が原子炉周辺に入らないような建物を作ること、これらの作り方、あるいは改修というものは大した理論ではないのです。しかし、現実はできていなかったのです。福島原発は、約30mの海抜があったのを、20mぐらい削って平らにして作っているということなどを含めて、充分な対策を考えなければならないと思います。非常用補助電源を設置するなどの投資も、費用的にはさほどのものではなかったのですから・・・。 13.液状化の状況 私も現地へ何度か行きましたが、想像以上の被害の大きく、取り分け噴出した土砂が乾燥し、風に舞っている状況です。マスクをしないで生活ができない状態が数週間続き、状況によっては、月単位でそのような状況続いていました。住居等は、数週間で復旧していますが、公園をはじめ公共的施設は後回しになっており、トイレが使えない等々からはじまって、様々な後遺症が続いています。 14.震災での被害の分かれ目旭市などに、1カ月後に現場に行きますと、被害の分かれ目が非常に良くわかりました。どういう家が流されて、どういう家が流されないのか。隣り合っている家で、こちらが流れていて、こちらが流れていないというのがあります。海に向かって横に、流れるように建てる、海に対して縦型に建てる、隣の家よりも少しでも高く土を盛り、たとえ30cmでも50cmでも高くしていると残っていました。特に、仙台などは、港から海から相当離れたところの構建物が壊れています。20年や30年前に建てたマンションは壊れず、2、3年前に建てたマンションが壊れているケースたくさんありました。様々なところを見てみますと、四角い箱のように作ってあるものの方が絶対に強いということです。様々な凝った設計になっている建物は壊れていました。それだけではないにしろ、専門の方がいろいろな角度から今後見られると思います。 14.まとめ私どもは東日本大震災という国難に何を学ぶのか。そして日本人の国民性というのは変わらないから国民性だと思う。国民性はあそこが悪い、ここが悪いと言って、そこで終えて済ますわけにはいきません。だからその国民性を踏まえて、どのようなことをしていくかという提案を、具体的に今日お集まりの皆様に、自らのお仕事の中で新たな提案をしていただく。それが住民の心にどれだけ響くか、国民にどれだけ、「そうだな」と肯定されるか、そこにかかっており、今ほど、私どもにとってのチャンスな時はないと思っております。 皆様の明日からのご活躍に心から期待申し上げまして、私からの講演を終わります。どうもありがとうございました。

kikitaiou at 18:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)参考資料 

安全安心な社会を構築するために ~日本の治安問題について~           

安全安心をテーマとした講演のレジメの例です。            (2013年3月時点                          始めに ① 情報社会化等による社会環境の急激な変化・・・様々な不安感が増大傾向 <高齢化・薄れる連帯感(絆・無縁社会)・通信技術革新(仮想空間) ② 懸念される信頼感への揺らぎ:対応の遅れる警察・・・パソコンのっとり犯など ③ 国家・社会全体としての治安維持能力の低下傾向?・・・景気後退・地域社会の絆 <仕事の減少・激変、増加する生活保護者・自閉症傾向 ④ 蔓延する先行き不安:生き方(哲学)の喪失 ⑤ 不確実性との対峙(企業も個人も、勿論治安機関も)に社会全体的に知恵が求められる 1 体感治安の悪化   治安がよく安全安心な国だと思うとの回答は59.7%だったが、    過去10年で日本の治安が悪化したとする人は81.1% (内閣府世論調査12・8・16公表)     理由:       地域社会の連帯意識が希薄になった(54.9%)    景気が悪くなった(47.4%)      不安を感じる場所:       繁華街(53.7%)  路上(53.6%) インターネット空間(41.9%)    不安を感じる犯罪       空き巣(51.1%) すりや引ったくり(49.4%) 暴行や傷害(45.3%)    警察に対する要望       飲酒運転やひき逃げなどの交通違反(54.3%) 2 連帯感の低下(無縁社会・心の問題)    孤独死の社会問題化    町内会などの新たな動向・・・東日本大震災での地域協力の見直し機運    絆の重要性への再認識・見直し      3 深刻ないじめ    被害者の誰も助けてくれないという悲鳴<地域連携、家族の会話カギ    インターネット社会の陰湿化    最後の訴え先としての警察の対応を如何にすべきか  *警察担当範囲の拡大傾向:家庭内暴力、児童虐待、配偶者間の暴力(DV)、ストーカー 4 暴力団対策:「社会全体での暴排」立ち上がる市民を十分に保護できるか   組織暴力排除条例:国民上げての運動へ。<揺らぐ標章掲示(北九州市)。 <改正暴力団対策法(12年10月30日施行)   犯罪収益移転防止法(08年3月1日施行):マネーロンダリング、テロ資金供与防止のため、本人確認範囲の拡大   半グレ集団(暴走族OBなど):警察力の奮起に期待  *マフィア化への覚悟あるか 5 インターネットが警備情勢に与える影響   *サイバーテロ対策   *各国ともナショナリズムに走る(ゆとりのない国益優先) 6 MDMAなど合成麻薬 7 民事不介入?・積極姿勢か 8警察官の採用・教育:組織対応力の変化。知識偏重採用? 終わりに ① 犯罪の国際化:国際協力の増進 ② 安全安心が社会安定化の前提 ③ 覚悟なき政治(エネルギー政策・安全保障・社会保障など難問での先送り) <参考情報> 1 官民での対策強化が課題の自殺防止(14年連続3万件超98~11年) 2 パソコンのっとり犯:ウイルス感染での遠隔操作。ウイルス以外でののっとり。 3 警察庁、インターネット使用犯罪予告事件での平成20年4月以降の否認全事件の調査指示(12・10・15)警察庁長官4人の誤認逮捕認め謝罪(10・18) <新たな冤罪(パソコン遠隔操作の恐怖)・捜査・取調べへの信頼性(重大問題)  *海外サーバー経由などニヨルハッシンモトノ偽装捜査は困難だろうが、当局による定番の「捜査は適正」という強調は不信感を増大させるだけ。 <誤認逮捕なのに犯行認める人の存在<捜査機関を萎縮させてはならない視点も 4 「通信の自由」「ネット規制」の調和   <大手コンピューターソフト会社と組んで犯罪と戦う米国(国家戦略) 5 冤罪:東京電力女性社員殺害事件(ネパール人無期懲役)、足利事件、サイバー犯罪(捜査力の出遅れ)。  <東電女性殺害事件での無罪主張に関し、滝法相「大きな捜査ミスなし」(12・10・30記者会見):当時の鑑定技術が発展途上だったことなど理由に。結果として無実の人間の人生を奪っていいのか? 6 警察による警備強化の限界:北九州市で暴力団に狙われる可能性のある全員警護には10万人の警察官? 7 警察官の不祥事(2012年):「数も多く質も悪い」  暴力団員から賄賂受けた汚職、金銭トラブルから複数人殺害、少女を泥酔させて強姦  *昇進意欲の低下:待遇と責任のアンバランス 8 新たなつながり(隣人関係)の構築模索<「普段は程よい距離感で、いざと言うときには声掛け合える」   都心の限界集落(65歳以上4割占める)・・・2060年日本の高齢者39.9% マンション共有エリアで音楽会も   異変感じたら(ポストに郵便物・新聞たまっていれば)団地自治会に通報 *正月3が日を1人で過ごした・・・都内独居高齢者の3人に1人(地方でも27%ほど) 9 2012年:刑法犯32年ぶり低水準(認知件数約138万件)、殺人は戦後最低1030件<刑法犯認知件数:戦後最悪だった02年の約285万件の半分以下。窃盗犯、殺人や強盗など凶悪犯の一部で減少傾向続く。性犯罪は増加(被害自体が増えたのか申告が増えたのかは不明)。検挙件数は43万7千余で前年より減少したが検挙率は0.5ポイント増の31.7%。殺人や強盗など重要犯罪の検挙率は1.8ポイント増の65.8%。 10 その他の注目浴びた事象:自殺者数98年以降連続14年3万人超(12年15年びりに3万人割れ)、孤独死、ストーカー、いじめ(自殺)、サイバー犯罪、部活での体罰(自殺)・・・。 11 アルジェリア・ゲリラ事件(邦人10人犠牲、1月)・・・テロ情勢の深刻さ改めて知らされる。<2ヶ月前に「仏英日の計5人を人質にリビアに出国せよ」指示。リビアから密入国。 12 警察官不祥事   免・停職最多190人・逮捕も最悪93人(2012年)   ミス隠し、不祥事招く。大量採用、質の確保は大丈夫か?   特別な権限を持つ特別な職業との自覚。それに伴う責任感、使命感が求められる。   <薄れていないか。

kikitaiou at 14:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)安心・安全 

日本の治安問題について

治安問題に関する講演の例(レジメ、2012年12月時点)
 
  始めに
     ① 情報社会化等による社会環境の急激な変化・・・様々な不安感が増大傾向
     ② 国家の治安維持能力の低下傾向?・・・景気後退
     ③ 不確実性との対峙(企業も個人も、勿論治安機関も)に知恵が求められる

1 体感治安の悪化
  
   治安がよく安全安心な国だと思うとの回答は59.7%だったが、 過去10年で日本の治安が悪化したとする人は81.1% (内閣府世論調査12・8・16公表)  
     理由:          地域社会の連帯意識が希薄になった(54.9%)    景気が悪くなった(47.4%)     
 
      不安を感じる場所:      繁華街(53.7%)      路上(53.6%)    インターネット空間(41.9%)         不安を感じる犯罪      空き巣(51.1%)      すりや引ったくり(49.4%)      暴行や傷害(45.3%)

   警察に対する要望      飲酒運転やひき逃げなどの交通違反(54.3%)

  2 連帯感の低下   孤独死の社会問題化   町内会などの新たな動向・・・東日本大震災での地域協力の見直し機運   絆の重要性への再認識・見直し  

 3 いじめ   被害者の誰も助けてくれないという悲鳴   インターネット社会の陰湿化   最後の訴え先としての警察の対応を如何にすべきか  
   *警察担当範囲の拡大傾向:家庭内暴力、児童虐待、配偶者間の暴力(DV)、ストーカー4 暴力団対策  組織暴力排除条例:国民上げての運動へ  犯罪収益移転防止法(08年3月1日施行):マネーロンダリング、テロ資金供与防止のため、本人確認範囲の拡大5 インターネットが警備情勢に与える影響  *サイバーテロ対策6 MDMAなど合成麻薬7 警察官の採用・教育について・・・組織対応力の変化

終わりに
① 犯罪の国際化:国際協力の増進
② 安全安心が社会安定化の前提 参考情報1 官民での対策強化が課題の自殺防止(14年連続3万件超98~11年)

2 冤罪:警察検察の深刻な反省求められる 

    東京電力女性社員殺害事件(無期懲役確定から無罪)、足利事件、サイバー攻撃:コンピューターのっとり犯罪(技術進歩に乗り遅れた「人を捜査」) 

 *誘導尋問・供述の強制(認めなければ長引く・認めれば有利にするとの調べ方) 

 

はじめに
  刑法犯認知件数8年連続減少中(2010年158万件、昭和62年レベルに回復)
  体感治安改善せず(特異犯罪の時代?)

1 やまない無差別(通り魔的)事件・・・暴走の印象
  08年
    1月5日、品川区商店街で高2男子、包丁で男女5人切りつけ
    3月23日、土浦市で男女8人が男に刺され1人死亡、7人ケガ
    6月8日、秋葉原の歩行者天国に男がトラックで突っ込み通行人をはねて次々にナイフで刺し、7人死亡、10人ケガ<進学高校・派遣労働問題
  10年
    12月17日、取手駅前路線バスでの中高生ら14人包丁・ナイフで切りつけ
<27歳男子「人生終わりにしたかった」、職を転々(包丁買ったのは1年前に会社辞めた時期)、ひきこもり<覚せい剤反応あり(心神耗弱?)
1月4日、土浦ホームセンター駐車場で包丁切り付け男<ひきこもり

2 ホコ天2年7ヶ月ぶり試験的に再開(11・1・23~日曜日毎)
  区、町内会、商店会など運営委員会、「風紀乱す行為許さぬ」・・・路上でのパフォーマンス、物品販売など一切禁止。ホコ天と車道の境は工事現場で使われるバリケード設置。
  反対してきた地元町内会は「治安の維持を第一に」と要望
  *運営委員会は約50台の監視カメラ設置
  *町内会は防犯カメラ16台管理運用
  *加藤智大被告(28)、死刑求刑、判決(3・24)
    <自分を無視した者に対し自分の存在をアピールし、復讐するため(検察動機)

3 ひきこもり・・・様々な推定数値:26万世帯、6箇月以上ほとんど家から出ていない人推定70万人(内閣府15~39歳)・・・半数30代(高齢化)
(1)社会に原因か・・・職場問題、病気、就職活動の失敗など
(2)精神障害か・・・多くの場合何らかの精神障害が伴っている
  *「妄想性障害」・・・中大教授殺害事件など「心神耗弱」責任能力の有無
4 警察の役割・・・任務拡大に死角はないか

終わりに  若者に夢を与えられない社会では将来が心配だ


<参考情報>

1 監視社会化でいいのか   
* 街に溢れるカメラ

2 ひきこもり傾向の者(予備軍)155万人
     * 3大原因・・・職場問題、病気、就職での失敗
  日本人新人社員、海外で働きたくないとする者5割(09年)
     ①リスク高い②能力に自信ない
  *主要原因は職場での不適合、就職での失敗・・・自信喪失

3 日本が今より良くなるとする者が半数を超えるのは30年後との回答
  重要な問題①雇用②政治力③経済力
                (11年1月連合調査より)

4 35~39歳男、親と同居する者41.6%(未婚率30.6%)
          * 不況で急速に晩婚化
 若い男性(16~19歳)セックスに関心ないとする者3分の1
  セックスレス夫婦(1ヶ月間関係なし)40%超
           (16~49歳対象の11年1月厚生労働省調査)
*「草食化」裏づけ?

5 ベネチアの「守旧的性格」
  冒険避け、過去の蓄積で生活を享受しようとの消極的傾向。
  生活水準維持するためか貴族男性の未婚率60%にも。

6 人口の自然減、初の10万人超(2010年)
  出生数107万人、死亡数119万人

7 死刑の永山基準(最高裁83年)
  事実上の死刑選択の基準として用いられている。
  ①罪責②動機③犯行態様、特に残虐性、執拗性④結果の重大性、特に被害者数⑤遺族の被害感情⑥社会的影響⑦被告の年齢⑧前科⑨犯行後の情状
  以上9項目を総合的に判断して、刑事責任が極めて重く、やむを得ない場合は極刑も許される。

                           2011年4月13日資料
              



 裁判員裁判について
               ~制度見直し論議~

始めに
   安全安心を担う国民・・・肯定的に受け止める経験者
捜査関係機関への刺激

1 供述調書重視(調書中心主義)から証言重視(公判中心主義)
     物証など客観的証拠重視/取調べの比重軽くする.
* 供述と異なる調書作成指示あったとする検事46%。(全検事対象意識調査)
<不適切取調べ横行

2 捜査の要諦・・・引き返す勇気・・・綿密に捜査し慎重に起訴

3 可視化 ・・・求められる現実踏まえた複眼思考
     録音・録画の長短

4 ケーススタディー(1)子供対象の性犯罪者
     過去5年間の出所者(13歳未満の子供への強制わいせつ、強姦など暴力的性犯罪者)740人対象の調査結果
           105人再検挙
           200人行方不明
    * 2010年強制わいせつ事件7028件(警察庁刑法犯認知件数より)
    * 性犯罪者やDV加害者にGPS常時携帯義務付け、警察が監視条例検討(宮城県、1月)
      韓国、米国などで実施している。

5 ケーススタディー(2)連続リンチ元少年3人死刑確定(最高裁3.10)少年法?

6 警察官の問題点
     人材供給。教育・養成に要する時間。
     萎縮効果招く側面。

終わりに・・・成熟した国民への信頼
参考情報
1 実施状況(09年5月21日施行~10年3月まで)
   判決言い渡し・・・合計444人
          強盗致傷115人、殺人100人、覚せい剤取締法違反47人など
自白324人、否認120人
実審理期間平均5.5日
平均開廷回数3.5回
裁判員経験者のアンケート調査結果・・・審理内容が分かりやすかった70.9%
                                       経験してよかった96.7%

2 検察特捜部問題・・・厚生労働省村木局長に対する見込み捜査(10年)
            隠蔽体質?
3 オウムに対する捜査遅れの反省・・・批判を恐れ対応が遅れた警察
            タブー視された(宗教という)存在の盲点
           <手足縛る結果になった。<ブレーキとアクセルのバランス。

4 足利事件(再審無罪)の問題点・・・初動捜査高度化・証拠収集強化

5 犯罪の追跡可能性の拡充
(1)自動車ナンバー自動読み取りシステム
(2)携帯電話通話履歴(解析)
(3)防犯カメラ(画像保存期間)の有効活用

6 犯罪被害者支援施策
   一層拡充させる必要

7 任意取調べ30代男性会社員に「人生むちゃくちゃに」暴言大阪府警部補(34)
起訴事実認める:脅迫罪初公判(2・21) 東署取調室や車内で。録音。3時間の取調べの冒頭わずか?

8 少年法
  山口県光市母子殺害事件被告(犯行時18歳)死刑
  
9 死刑適用の永山基準(83年最高裁)
① 性質②動機③態様④被害者数⑤被害感情⑥社会的影響⑦年齢⑧前科⑨犯行後の情状

                            年月日資料

             秘密漏洩罪
~ネット上の公開は正義か?~

始めに
   IT技術の進歩という構造変化
   対応遅れる企業&当局


1 民間告発サイト・ウイキリークスによる米公電漏洩
    25万点ということの意味・・・無差別漏洩
    陸軍マニング上等兵による流出行為
    主宰者アサンジ容疑者の逮捕(12・6)・・・元ハッカー
    もともと開かれた社会米国では謝罪で済むも、閉鎖社会の中国やロシアでは
    体制崩壊にもつながりかねない<警戒心が強い。大勢避難の声を徹底的に取り締まる。

2 海保職員の尖閣沖衝突映像の漏洩・・・逮捕せずに任意捜査(10・11)・起訴猶予(11・1)
    実質秘か?国民の支持配慮。
    官房長官(仙石)の批判。

3 警視庁外事3課情報漏洩
    情報収集の為に警察官になるという存在を前提とした情報管理
    秘密保持の難しさ

4 ツイッター革命(チュニジア政府崩壊11年1月)・・・民主主義への希望 
    ネットでの焼身自殺映像
    報道規制・情報管理のできにくい時代<情報を公開させる有力な武器   
  *開発独裁国家の民主化促す

5 ソニーゲーム個人情報1億人超流出(11・5判明)
    1人最大100万ドル(8千万円)補償

終わりに

<参考>

1 国家公務員の守秘義務(国家公務員法100条1項)・・・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  地方公務員の守秘義務(地方公務員法34条1項)・・・1年以下または3万円以下の罰金

2 秘密・・・形式的指定かつ非公知の事実で実質的にも秘密として保護するに値すると認められたもの(最決昭和52・12・19)

3 尖閣映像流出「日本や世界になにが起きているか知ってもらいたかった。国民の一人として日本の将来考え、子供達のためにもやった」(2・9)国会内での議員連盟創生日本会合での発言(非公開)。




kikitaiou at 14:02|PermalinkComments(0)TrackBack(1)安心・安全 

解禁されたネット選挙での誹謗中傷合戦~24時間対応が求められる警察当局~

  7月21日投票の参院選ではネットを使った選挙戦が展開される。選挙戦が加熱する中、誹謗中傷が避けられないだろう。パソコンの遠隔操作もありえることから捜査は困難を極めることも予想される。   各陣営は、自らのホームページで堂々と反論し毅然と対応することが欠かせない。こうした危機管理能力も問われる選挙戦ということだ。

kikitaiou at 13:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)危機管理 

2013年06月25日

 警察も各陣営もネット選挙への備えを万全に

  参院選からネット解禁となる。警察にとっては初めてのしかもきわめて困難な問題となることは想像以上だろう。   海外経由のなりすましなども行われる可能性が高いことから捜査は慎重になされなければならない。しかし、同時に選挙への影響という観点からはスピーディーな対応が求められる。   各陣営にあっては様々な情報工作・暴露などに対する適切な対応が欠かせない。堂々と正攻法、例えば、自分のHP上で反論を展開するなどの対応が有効だろう。そうした危機対応能力が問われる選挙戦になることが予想される。

強力な権限行使への畏れを忘れないでほしい

 警察官には自らに託された強力な権限の行使への畏敬の念を、片時も、忘れないでほしい。退職してみて改めて感じさせられるのは、警察に託されている逮捕権限に代表される強力な権限の重みだ。 まして、組織防衛の思いからの、虚偽調書作成など、強力な権限の誤った行使は卑怯でさえある。そうした行為への国民の失望は、警察内部にいる者には、考えられないくらい大きい。 報道による大阪府警境警察署での、留置中の男が留置管理課の巡査長を殴ったとする公務執行妨害事件で、現場にいなかった巡査部長の指揮があったとする虚偽調書が作成された案件だ。関連して、二人の署員がその内容に沿った公判証言した。何人もの警察官が関与することで、組織的虚偽隠蔽体質という問題になった。 多く語るまでもないだろう。こうした、警察の組織的な隠蔽体質との疑いある行為はゼヒとも払拭してもらいたい。 強力な権限に対する畏敬の念。その重みをゼヒ忘れないでもらいたい。強力な権限は悪に対してのみ行使することができる。たとえどんなに少々のことだと思ったとしても、それはとんでもない誤りだ。 二度と再び、こうした過ちの起きないようにしてほしい。警察官への信頼の念を抱いている多くの国民が祈っている。

2013年06月22日

面接は気合いの勝負~TPOを踏まえた話し方&楽しむ態度で~

  全ての昇任試験で年々面接試験の比重が高まっている。と言うより実質的な合否の決定権を握っていると言ってもよい。少なくとも面接で「これでは一寸」と判定されれば合格することはない。 これは申すまでもなく、知識技量の程度より、それを使いこなす主体である人間・警察官の人柄や信頼性、即ち、警察官に対する市民の評価や与える影響力での警察官の生身の人柄や信頼性の要素の比重が大前提になっていることに所以している。   こうした傾向は何も警察官の昇任試験に限った話ではない。大学生を対象とした、採用試験対策では、就職氷河期を乗り切ろうと、どの大学でも面接試験への指導に力が注がれている。社会全体、どの組織でも人間性への関心が高まっている。実は、警察官採用試験でも学力試験で篩にかけられた受験生を対象に最終段階として実施される二次試験でのハイライト・面接試験に採否の最終判断が委ねられている。   昇任試験は、組織幹部を選抜するということであるから、昇任した人間の部下への影響力に、より多くの関心が注がれることになる。より上級の階級になればなるほど部下の数は増え、当然のことながら素の影響力が大きくなる。組織全体の士気を上げるためにも、昇任者の人間性(人間としての総合的な資質)に目が向かうことになる。人間社会はあくまでもその構成員である人間そのものの資質によって決定づけられているのだから。   面接は一本勝負。短時間での印象の勝負と言い換えることができる。一本勝負には一本勝負の心得があろうというもの。面接室に入って面接官と相対した時の、最初の印象が大きい。そこで半分は決まる。人間“見た目が勝負”とも言われる。ある意味、真実を突いている。髪や服装を整え、外見の清潔さ、物腰のさわやかな印象は重要だ。特に、警察官としてのてきぱきとした挙動が欠かせない。部屋に入り、礼をし、名乗るという型にはまった短時間の動きの中で、これらの諸点をビシッと決めるのだ。    第二は、昇任への意欲を示すことだ。昇任して上位の階級について何をしたいか。短い言葉の中に簡潔に表現しなければならない。言葉に力が込められていなくてはならない。口の中にこもった、何を言っているかはっきりしない発声は厳禁だ。特に、語尾をはっきりさせることを心掛けて欲しい。    チームを率いて、そのリーダーとして率先垂範したい。私ならやりますよ。やらせて下さい。・・・という意気を伝えることだ。 試験官である上級幹部はそれを期待しているのだから。    第三は、当意即妙な受け答えでありたいということだ。それには相手の話をちゃんと聞くことから始まる。そのためにも、できるだけ冷静になっていなくてはできない。下腹で深く呼吸して、冷静になれるよう努めることを進めたい。普段から呼吸法に留意しておくことが良い。簡単に言えば、座禅と同じで腹式呼吸、できるだけ細く長くゆっくりと息を吐くことだけに神経を使うことだ。 良い答えとは、相手の話をちゃんと聞くに始まる。即ち、相手の問いを理解した上で、一呼吸間をとってから答える。面接に際しては、冷静に話が聞け、落ち着いて対応できるということを示すことが肝要だ。繰り返すが、相手の話をお終いまで聞き終えてから一呼吸を置いて答える要領を忘れないこと。    試験では答えが正解かどうかと言うことももちろん重要だ。しかし、それにも増して、その回答者がどう受け答えしているかということが見られているのだ。くれぐれも、このことを忘れてはならない。しかも、多くの場合は、受け答えの態度の方により大きい比重が置かれている。    第四は、発生の仕方。さわやかにして力の込められた“りんとした発声”でありたい。自信のないぼそぼそした話し方であってはならない。何よりも下向きではならない。姿勢を正して、相手の鼻辺りを見ていることを心掛けることだ。    第五には、面接官との面接という出会いを楽しむという心境で臨みたい。人間、こちらの気持ちが相手にも伝わりやすいということだ。面接官に敬意を持ち、誠心誠意の受験をすること。その気持ちは面接官に伝わり好印象を与えることになる。    面接に際して、緊張しないようにというアドバイスがなされるが、要するに同じことを指しているのだろう。但し、緊張しないようにと言うのは、なかなか難しい。緊張しないように心掛ければ心掛けるほど緊張してしまいがちだ。むしろ、楽しむこと。面接官も仕事であり、受験生のこちらも仕事。お互いにご苦労様ということだ。そうおもえば緊張がとれるかもしれないということだ。    面接試験は気合い勝負。短い時間のさや当てで合否振り分けとなる。受験生にとってはいささか迷惑で、できれば早く終わってくれればという心境にもなろう。しかし、それも、非日常的な一つの経験と受け止めることだ。こうした楽しむという気持ちで、ゆとりある応対ができれば、自ずと良い結果が着いて来ようというものだ。本誌読者の健闘を節に祈る。

<面接でどこを見ているのか>活気に満ちた係(チーム)の運営力~面接でどこをみているのか~

  警務に関して「職場管理・運営」という分野がある。実は、組織としての警察、その幹部昇任試験においては職場の管理運営力は重要な要となる。上級幹部になればなるほど素の比重が増す。警部、警部補試験で刃、本音を言えばそこを見るのが昇任試験なのだ。面接試験で様々な問いが投げかけられるが、究極的に受験者の管理運営能力を見極めるための手段に過ぎない。面接官のチェックポイントを意識した対応が肝要だ。 以下、職場の管理運営に関してのポイントを列挙してみよう。 1 一人一人に真っ正面から向かい合う   縁あって同じ職場でチームを組むことになった。部下、あるいは同僚という立場での出会い。その出会いに感謝して、一人一人に真っ正面から向かい合うことから始まる。上司であれば部下の顔色、髪の様子、あるいは服装など、毎日の変化から、部下の健康状態や悩みなどの有無まで観察できるかもしれない。   係員一同ではなく、それぞれ個性の違うA君、B君、C君で有りAさん、Bさん、Cさんなのだ。一人一人と向かい合うということから始まる。   職場内での挨拶の励行は言うまでもない。   幹部に昇任するということは、職場の中での人間関係が増すということだ。職場の中での素の人の影響力がますことが職場にとって好ましいのかどうかがポイントになる。一人一人に向かい合うという基本が欠かせない所以だ。 2 話は最後まで聞く   部下や同僚が何か話し掛けて来たら、どんなことでもちゃんと最後まで聞かなければならない。相手の話を生半可に聞き流したり、途中で遮ったりしてはならない。誰しも、自分の話を真剣に聞いてくれる人に好意を抱くものだ。増して、上司に対して部下が何かを訴えるというンは、上司にとって願ってもないチャンスなのだ。   話し相手に正対して、話をしっかりと受け止めるのだ。そして、話してくれたことに感謝の気持ちを伝える。たとえ、すぐには実現できることではなくても、よく考えてみるなどと、肯定的に反応したい。   実は、話を真剣に聞いてくれただけで話した人は満足していることが多い。人間は話したいものだ。そして話を聞いてくれる人に好意を抱くことが多い。自分がないがしろにされていないことに安心する。だから聞き上手は管理職の素質がある。 3 我がことに引き寄せて考え・話す   不祥事はどこにでも存在する。事件や事故も同様だ。新聞やテレビなどで毎日報道されていることはこうした不祥事、事件、事故だということさえできる。ということは他山の石とすべき事例には事欠かないということだ。   毎日の要に何処かで発生しているこうした生きた事例を我が職場に引き当てて、我がこととして考えることが有意義だ。部下同僚と共に他山の石から我が職場の教訓を引き出すことができるか。その発想力が問われる。   職場の上司は、単に通達などを形式的に伝えるだけでは不十分だ。いかに我がことに引き寄せて伝えることができるか。聞き手の部下同僚が我がこととして注意喚起させられるように伝えることができるかということがポイントなのだ。   なお、話し方は重要なポイントになる。部下などに話をすることが増える。何を話しているのか不明瞭であっては困る。簡潔にちゃんと話ができること。声に力がこもっていること。ある程度の音量も欲しい。早い話、聞こえないのでは困るということだ。 4 率先垂範   上級幹部になればなる程、部下から注目される。一挙手一投足がより大きな問題となる。部下から素のような目で見られて大丈夫だろうかということだ。部下の模範となる仕事ぶりであって貰いたい。今日のようにフラットな関係が重んじられる時代では、率先垂範型のプレーイングマネージャーが求められることになる。   しっかりやってみせることができるということ。仕事ができなくては部下への示しがつかない。   OJTが警察という職場で重んじられる。日々、職場の現場でのマンツーマンの職場教育が重要なのだ。上級幹部に昇任するということは、OJTの担当者になるということなのだ。 5 報告・連絡   個人の力を組織の力に結集していく配意が求められる。その様な気配りができるかどうかということだ。そのポイントは、報告・連絡である。自分だけでなく組織全体としてどうかという立場で見ることができるかどうか。一歩、高い立場での見方が求められる。 一階級上司の立場に立っての見方と言っても良い。 6 意欲に満ちた積極性   職場は高い目標に向かって一丸となってがんばっているという姿が理想だ。不祥事防止という消極的で後ろ向きな組織の管理運営ではなく、高い目標に向かってがんばろう・・・という積極的な雰囲気を作っていくことが肝要だ。   受け答えの声も力のこもったものでありたい。はっきりとした発声が好ましいことも、改めて言うまでもない。   職場の部下同僚を束ねる担い手。その担い手としてふさわしいかどうか。より上級の幹部昇任試験になればなるほど、面接ではそこを見極めているのだ。

人生の同伴者・座右の銘~易きを避け難きに付く~

              座右の銘は人生の友・同伴者だ。暗闇の中の導きの灯火であったり、暖かい励ましやお叱りの鞭にもなる。そうした意味で、私の経験を例を通じて座右の銘との付き合い方を考えてみたい。昇任試験とは試験だけの勝負ではない。日常の仕事の仕方や生き方こそが大きな意味を持っている。座右の銘は自分の心の中に存在する自分だけの最も大切な宝物ともいえる存在だ。 「易きを避けて難きに付く」という言葉に出会ったのは中学3年生だった。かれこれ半世紀の同伴者だ。お疲れさん・・・と声を掛けてやりたいといった感じでもある。意味は、どっちにしようかと迷ったら、難しい方を先ず考えてみよといったこと。通常、人間は楽な方に流されがち。だから、難しい方を優先的に考える位で丁度良い・・・といった風に解釈している。  郷里青森で所属していた心身鍛練団体(月一回ペースでハイキングなど野外活動をしていた)の多数有る誓いの言葉の一つ。それは明治時代に結成された伝統を誇る‘結社’だった。所属員は皆、結社と称していた。集まる度に数多い誓いの言葉など唱和していた。不思議なものだ。度々唱和している内に、頭の中に堆積し、今では血となり肉となって、あたかも体の一部のように感じられるようになる。  座右の銘は心に響いた言葉ということだ。何処かでそうした言葉に出会わしたら、手帳など身近なものにマメに書き留めておくことだ。そうした中でも、特に気にいったものは、目に付く所に貼っておくのも良いだろう。手帳などに書き留めてもそれだけのものもある。長い付き合いになるものもある。年を経ての付き合いは味が出てくる。言葉も同じ感じだ。座右の銘とはそうした結果、離れられなくなったものだ。 私の場合、駅などでエスカレーターを避け階段を上るという時、心の中でこの言葉がにっこりほほえんでいる感じがする。ウオーキングのルート選択でも、遠目の目的地に向かわせるのも。寒い朝、暖かいベッドから離れ難い気持ちを断ち切ってくれることも。結果としては、たいていはそうして良かったと思えるのだった。このように日常の中、普段着で付き合う言葉の同伴者となっている。 「‘言’必ず真、‘約’必ず守る」という言葉も、同様の同伴者だ。意味は文字通り「嘘付くな、約束は守れ」ということ。信用がどれだけ大切かは改めて言うまでもない。 時には逃げたいこともある。しかし、逃げ出したら切りがない。その内に逃げ出す口実を探すのが上手になろうというもの。しかし、他人にはそうした嘘は容易にばれる。長い目で見れば、歯を食いしばってでも頑張った人にして得られるものが大きい。一時の誘惑に負けてはならない。 特に警察官という仕事では信用・信頼が命だ。職場の上司・同僚との間での彼(彼女)に任せておけば大丈夫という評価は全ての根底だ。言必ず真、約必ず守る。彼(彼女)がやると言ったのだから安心だ・・・という存在で有りたい。 人間の評判というものは、突き詰めれば、その人の生き方そのものだ。日常的な生活や仕事の仕方が積み重なったものだ。 昇任試験も実は同じことだ。試験当日の一枚の答案、短時間の面接。それは一つの手段としてのセレモニーに過ぎない。その前に職場では評価がなされている。日常の仕事ぶり、それだけでない日常の話し方や受け答えといったもの。それらが集大成しての評価となっていく。実はそれが最も重要なのだ。人生とはそういうものだ。退職して20年にもなろうという最近になってそんなことを考えている。 皆さんにも座右の銘が有るだろう。自分自身の座右の銘と日々向き合って付き合って頂きたい。また、新たな座右の銘を探すといった前向きな気持ちで臨んで欲しい。そうしたしなやかで積極的な気持ちの延長線上に、目指す高見が近付いてくるものと信じる。

昇任試験勉強に励んでいるあなたへの激励易きを避けて、難きにつ~高みに立った者だけが展望を楽しめる~く

 はじめに   昇任試験をめざして、おそらくは1年間という長丁場になるであろう勉強。日常生活の忙しさの中での各自の挑戦は決して容易なものではない。疲れて帰宅してから机に向かうのもおっくうになることもあろう。「そんなに無理をすることもないのではないか」など、 様々な迷いも生じるだろう。   現職時代多くの方に語ってきた私の警友への激励の弁を披露してみたい。 1 迷ったら難しい方を選択しよう   人生は選択であり、決断の連続だ。多くの可能性から選ぶことによって今日の自分が存在しているともいえる。   たくさんの選択肢がある中から、皆さんはどのようにして選択しているのでしょうか。それこそ人によって様々でしょう。楽な方を選びたくなることもあるでしょうね。それは当然のことです。誰だって好んで苦労したくはないでしょうから。しかし、楽な方を選んで、後で後悔した経験が私には結構あるのです。楽な方を選びたいのは自然の技、いわば人情というもの。しかし、迷うというのは、心の底ではその楽な方ではなくて、難しい方を選んだ方が良いのではないかという思い(迷い)があるということではないでしょうか。迷いとはこの潜在的な声との葛藤なのです。   迷ったら、難しい方を優先して考えた方が良いのだと考え流要に努めています。安易な方を選びたいというある意味で自然な流れの中で、潜在的な心の動きが、「それで良いのか?」と叫んでいるのです。ですから、先ずはその声に耳を傾けるべきです。それで丁度良いくらいになるというもの。   迷ったら、より難しい方、より困難な方を優先的に考えてみるべきだということではないでしょうか。心の底にある意識との折り合いをつけるべきだということ。でないと、またまた後悔することになるのですから。 2 山頂の景色は登り詰めた人だけのもの   私の経験では、どんな山でも、なべて山登りは結構しんどい。急な登山道を、息を弾ませ、汗をかいて、あえぎながらの難行苦行の末に辿り着いた山頂からの景色は、だからことのほか心に焼き付くというもの。はるか彼方まで広々と広がる下界の景色は開放感がある。山頂からの雄大な景色は一歩一歩自力で上ってきた人のものだ。家のソファーで寝そべって写真で見ている人には味わえないもの。   昇任試験も全く同じではないか。歯を食いしばって一日一日と頑張った人にしか合格の喜びは味わえない。苦労して昇任試験を受けなくとも良いではないか。階級があがっても責任が重くなるだけで何のメリットがあるのか。等と言った誘惑の声が耳に入るだろう。   敢えて言う。課長にならなければ、署長にならなければ味わうことのできない景色があるのだと。課長や署長になれないで、それらの善し悪しなど語ることはできないのだ。   登ってみなければ山頂からの景色の爽快さは味わえない。昇任試験は挑戦して合格してみなければその喜びは味わえない。課長や署長はなってみなければ、そこからの景色は分からない。   怠惰な誘惑の声に惑わされてはならない。苦しくとも頑張って登り詰めて見るべきだ。 山頂からの景色を味わおうではないか。 3 ツボを押さえた勉強   長丁場。いたずらに長時間の勉強はお薦めではない。効率的な勉強方法を採らなければならない。本誌など、同伴者のリードは利用すべきだ。生活習慣として一日一日決められた時間を勉強に充てるのがいい。   可能な限り、基本に立ち返り、法律や規則、通達などに目を通す。そして何よりも考えながら仕事をすることだ。本誌の問題も自分で考えるきっかけを作ることを目指している。考えるという習慣。疑問点は放置しないで決着させる。   本誌はそうした皆さんの善き友でありたいと願っている。 おわりに   本誌に皆さんの声を寄せて頂きたい。どんな疑問点でも遠慮無く寄せて頂きたい。

試験勉強のコツ目標を目指して、自らを律する喜び~自分と付き合うコツを知る~

 <はじめに> 仕事の後で、昇任試験を目指しての1年間程の勉強をし続けることは容易なことではない。何事であれ、目標を立て、その実現に向けて頑張ることは、楽なものはない。しかし、コツを身に付けさえすれば、喜びに転換できる。今回は、私流のそのコツを紹介してみよう。現役時代、昇任試験に挑戦する部下職員などから、大げさに言えば、信者が出るほど有効だった(と思っているが?)。 1 先ず行動   あれこれ考えるより、とにかく先ず行動に移すことだ。例えば、手元にある資料を読んでみる。あるいは警察官職務執行法を読んでみる。要は何でも良いからやってみること。 固くりっぱな決意をすることも、勉強の長期間に亘る計画表を作成することも要らない。とにかく実行することが良い。   禅では先ず掃除をするのが良いと教えるそうだ。理屈ではない、体を動かすことから始める。ひたすら掃除をする。信仰も二の次。これは何を示唆しているのか。百の理屈よりも、一の行動の大切さを意味している。ひたすら掃除をする。心を込めてきれいにする。全てはそこから始まるのだ。   例えば寝る前の10分間、机に向かって資料などを読むだけで良い。10分が20分、20分が30分になればしめたものだ。何も寝る前でなくても良い。自分にとって無理のない時間帯での第一歩ということだ。   先ず実行、どんな些細なことであっても良いから先ずは始めてみることだ。そこには挫折感は無用だ。今日からとにかく始めること。 2 10年後の自分   10年後にどうなっていたいのか。想像してみることだ。10年後、20年後の自分はどうなっていたいのか。   忙しく誘惑の多い日常生活の中で、ついつい、その日暮らしになりがちなのは人間としてやむを得ない。数々の言い訳を探すのも比較的容易なことだ。しかし、「10年後、どうなっていたいのか?」・・・と、時にしっかり想像してみてはいかがか。   どうしたらその夢が実現できるだろうか?誰が考えてみても、自分で勝ち取るしかないことは明らかだ。   10年後の自分を思い描くことで、誰か他人に急かされてではなく、自分自身の意思としての目標だということが実感できるようになる。 3 悔しさをバネに   ライバルがいれば一番良い。あいつには負けたくない。そういうライバルが居る人は幸せだ。なんであっても良いが、自分にとって、“なにくそ”という思いが沸いてくる動機が見つけられれば幸いだ。   競争心は頑張りの栄養だ。自分にとって何が一番利くだろうか?・・・と、自分を客観的に見ることができるようになれば、その人はしめたものだ。 誰しも、自分を見つめるもう一人の自分の存在を感じるのではないか。そのもう一人の自分を大切にしたいものだ。斜め後ろやや上方にもう一人の自分が存在していることを感じませんか。人生とは、自分との付き合いということだ。自分を好きになるしかない。誰か他の人に代えられないのだから。 どうしたら自分は頑張れるか。もう一人の自分に相談してみる要領だ。 4 基本を大切に   昇任試験で大切なことは、暗記することではない。もちろん、知識はあるに越したことはない。しかし、あくまで基本がしっかりと身についているがどうかが決め手になる。   そうした観点から、警察学校での教科書はすべての出発点になる。警察法、警察官職務執行法、刑法、刑訴等基本法から服務規律など内部の基本文献は勿論、全員教養等で配布された資料等は繰り返し、繰り返し読み直すべきだ。   昇任試験ではそうした基本事項の拾得状況を確認することが、本来のあるべき姿だと言える。 5 積み重ねられた先達の経験に学ぶ   尊敬できる先輩の話を聞くこと。その先輩ならどうするだろうか?と、考えることを自らの行動の原点に置くこと。昇任試験勉強の先達の知恵には謙虚に耳を傾けるべきだ。又、本誌を始め、経験を積んだ専門家の知恵は有効に利用した方が良い。特に、本誌の様に一定の周期で届けられる教材は、勉強にリズムを与える意味で有効利用をしてほしい。ペースメーカー役は必要だから。 <おわりに> 自分と上手に付き合うこと。自分との付き合いを楽しむこと。楽しみながら勉強できれば成功の近道になること請け合いだ。

「国民と共に」を誰が担うのか~昇任試験面接の決め手~

  警察は安全・安心という国民生活の大前提・基礎の実現を担っている。そのために、逮捕権やけん銃の使用といった極めて重い権限が与えられている。その影響は重大であり、権限の行使にはプロとしての精進が求められる。警察官として心掛けるべきこと、その根本を考察してみよう。昇任試験、特に面接での最も焦点の当てられるのはそこに行き着くのだから。 1 国民の信頼を得るための第一歩は良き聞き手になること   警察官としての土台ともいうべきこと、最も心掛けるべきは、国民の信頼を背景とした執行務であることだ。国民が何を求めているか。常に考えあるいは感じ取るようにしたいものだ。   国民というと抽象的すぎてよく分からないとすれば、受け持ち管内の人々と置き換えて考えるのでいい。そのおおかたの人々の期待に添うということだ。それにはできるだけ多くの人々と話をすることから始まる。話をするとは、良い聞き手になることが理想。相手が気兼ねせず何でも話したくなるような対応ができることが警察官の心掛けることの第一ということだ。 2 心情に寄り添う   話は耳だけでなく、心で聞くという心掛けで臨むことが肝要だ。相手の立場に立って考え、受け止めると言っても良い。一般的には警察官に話すとき、多くの人は、緊張し、身構えている。その際の警察官の言動は重い意味を持っている。   警察官は、警察官であることに慣れ過ぎていてはならない。またかと受け流したり、流れ作業で処理してはならない。相手は緊張して皆さんの一挙手一投足を食い入るように見ているのだから。   心のひだを感じ取るような気持ちで相手に臨んで欲しい。ことの外大切なのは、別れ際の一言だ。交通違反の切符を切った相手にも「気を着けて安全運転をお願いします」など、心を込めた一言が欲しい。 3 説明責任   警察は国民に丁寧に説明するという気持ちを忘れてはならない。時代は変わったのだ。役人が何から何まで面倒を見るという時代から、国民に自己責任を求めるという転換が、構造改革の本当の意味なのだ(「事前規制」から「事後審査」へ)。自己責任を求めるには情報開示・説明責任が前提になる。   警察は個人情報保護や捜査の秘密といった取り扱う情報の性質上、保秘が大前提になる。どうしても情報公開には慎重にならざるを得ない。しかし、説明すべきこと、公開した方が良いことも少なくない。幹部警察官はそこのところの判断を積極的に行って欲しい。 4 話し方の訓練   警察官は話し方の訓練を重視すべきだ。署長や課長などの関係団体などでの挨拶を始め、警察官一人一人の非公式のスピーチなどでも、話し方は大切だ。警察学校は勿論、警察署でも努めてスピーチの訓練を心掛けたい。   そうした雰囲気を醸成させるだけで、みんなが刺激を受けることになる。スピーチは練習でどんどん上達するものだ。 5 住民の参加による街作り   自主防犯活動が活発になっている。東日本大震災を経験して国民の意識・価値観が変わってきている。多くの人々が「どう生きるべきか?」と、考えさせられたのだ。どう生きるかということは哲学ということだ。その中で、自分たちの安全・安心は自分たちでという意識が高まっているのだ。   警察はこうした住民の意識に寄り添って、可能な限り協力して欲しい。住民と共に治安を守るという理想を今こそ再構築しようではないか。   警察幹部選考という昇任試験の根底にあるものは、警察を代表しての判断や諸活動を誰に託すのかということになる。国民・住民にとって信頼できる警察という目標に向かって、より多くの重い任務を誰に託すのか。新しい時代の担い手としての能力が問われている。それを見極めようとしているのが“面接試験”ということだ。

合格するための受験準備~面接ポイントアップのために~

  何事にもコツがある。コツは所詮コツだが、知ると知らぬとでは天地の差がある。そこで今回は合格のための受験準備の日常的な心得のポイントを披露してみたい。特に面接でのポイントアップという視点だ。 1 知識は基礎・基本の勝負   最初から、コツらしくないことでがっかりかもしれないが、基礎・基本が一番肝心だ。警察法、警察官職務執行法、刑法を始めとした警察官としての基盤をなしている法律・規則など、常に目に触れるところに置くことを薦める。自宅の机の上に置き、手帳の扉などに書き写しておく。   教科書があれば一番いい。折節に触れ、繰り返し読み返す。教科書がなければ、それに代わる、自分にとって使いやすいもの。警務要鑑は赤線を入れた座右の書として欲しい。 急がば回れ。足下固めから始めて欲しい。何事も王道に勝るものはない。面接でものをいう知識は、基礎・基本が中心なのだから。話すことの要所要所に基礎・基本の理解度を示すことが要諦だ。 2 字を丁寧に書く   受験関係書類は勿論、答案や普段の作成書類すべてに関して丁寧な書き方を心掛けよう。面接においても様々な形で字が見られている。一番身近な氏名、それだけでも思いの外、様々な印象を与えている。 常に今書いている書類を見た時の相手の心理を想像してもらいたい。どうにもこうにもならない汚い字で書き殴られたという印象では好意的採点は望めない。字の上手下手はしょうがない部分があるがそうとばかりは言っていられない。 繰り返しになるが、自分のいない所で、自分が評価されるのは、書かれた字を通じてだということも、忘れてはならない。手を離れた瞬間から文字は自分の代理人といってもいいのだ。 肝心なのは下手でも丁寧に書くことだ。丁寧にかかれてさえいれば、好感度は増す。達筆であることに越したことはないが、それは誰にでも望めない。しかし、より見やすく丁寧に書くことは練習しさえすれば習得可能だ。 書き方に関する練習ノートなどもあるのでやってみてはどうか。 3 身だしなみ   出かける前には鏡を見ること。鏡に映された自分の姿を見て、髪、ひげそりから身だしなみ万般をチェックしよう。人の印象は大切だ。毎日そうした心得で過ごしていることの蓄積は思いの外大きい意味を持っている。   面接試験の日にはさすがに、誰だって身だしなみに気をつかうだろう。実は普段の身だしなみが同様に肝要だ。職場での皆の評価が警察官昇任試験には集大成されている。身だしなみは常日頃からが肝要だということを忘れないで欲しい。 4 相手の鼻周辺を見て話す   下を向くのもダメ、上もダメ、さりとてにらみつけるのはもっとダメ。面接の時の目の置き場は難しい。自然体で良いのだが、試験となると緊張する。普段から、話すときには相手に正対することだ。相手が話している時には集中して聞く。ことらが話し時には、相手の鼻周辺に視線を置く。   会話というものは、理解し理解して貰うという相手とのコラボレーションだ。そうした心得での普段の訓練が肝要だ。 5 分からない場合の対応   尋ねられた質問にすべて対応できるとは限らない。そうした時にどう答えたらいいのか。どぎまぎしてみっともない対応をしてしまってはお終いだ。質問の周辺の事項を明確にする要領で、「ご質問ですが、***ということでしょうか」など、聞き返す準備などしておきたい。   その上で、基礎・基本の知識で答え、状況によっては「詳細は勉強不足です。すいません」とでも答えることになろう。大切なのは、そこまで腹をくくっておくということだ。そうすれば過度に動揺せずに乗り越えられる。 6 あがり防止対策   人間誰しも緊張したり、あがったりするものだ。時に、過度に反応してしまう人がいる。こればっかりは万人に利く即効薬はない。自分に合った手段を見つけるしかない。   歌手や俳優など、手のひらに「人」の字を書いて飲み込んでから舞台に上がるという人もいる。試験官も同じ人間ということだ。偉そうに怖そうに見えるのは、こちらが緊張しているからだ。   私は、鏡に向かって、「あんたは偉い・そこそこ格好良いではないか」ではないが、自分で自分を多少おだてると意外に効果が有るようだ。方法は人によって異なる。自分に合った落ち着くおまじないでも差がして欲しい。   以上、要約すれば、普段から面接試験のことを考えて置くこととなる。考えれば何かの備えができる。その積み重ねだ。受験はそうした日常の延長にある。

半歩前の精神~昇任試験準備の心得~

  年期の入った金言や格言の類には耳を傾けるべきものが少なくない。多くの人々の英知が凝縮しているからだ。それらの示唆する教えに独自の解釈を加えて、次第に自分のものにして行くことをお薦めしたい。年月を経て長い付き合いになればなるほど、あたかも人生の同伴者の様な味わいも醸されて意義深いのものになるのではないか。今回はそうしたことから、数ある言葉の中から「半歩前の精神」という気になるものを取り上げて考察・紹介してみたい。半歩前の精神という言葉から、どのように解釈を膨らませ、自分にとって心に響く言葉に練り上げていくのか。そうしたコツを感じ取って貰いたい。   半歩前の精神とは一日一日の努力の積み重ねの大切さを強調する本来の一面がある。「点滴岩を穿つ」「ちりも積もれば山となる」などと同じ主旨。様々な状況下、一歩がダメでも、たとえ半歩であっても前進せよと。一歩はしんどくても半歩なら大丈夫ではないかとの更なる励まし。半歩であってもと、「にかく前に」という号令だ。 この最初の意味から派生して、一歩前ではいかにも「私やってます」と目立ってしまうような場合での、半歩なら人に気付かれずに前進できるという側面に注目したい。いかにも「やってます」というやり方ではなく、自然体のステルス前向きさということだ。ここでの半歩とはあくまでも控えめな姿勢を示している。 仕事でも、勉強でも、いかにも「私やってます」というやり方には、時には周囲の反感も生じる。さりげなさが良いということ。仕事にせよ、勉強にせよ、だまってさりげなく進める方が良い。前進しているかどうか、気付かないような前進。それが、半歩という意味だ。目立たないが、立ち止まっているのではない。たとえ半歩ではあっても前進しているのだ。そうした姿勢を半歩前の精神という。 「はい、はい」と声を出して名乗り出るのではないが、やるべきことはちゃんとやっていく。目立たないが、頼りになる。 昇任試験の極意は、この半歩前の精神にあるのではないか。昇任試験は大騒ぎして派手にやるべきものではない。職場にあってはさりげなくありたい。同僚などの前では、半歩前の精神が好ましい。ギラギラしては浮いてしまう。職場で浮いている人の評価は高くはない。 急がば回れ。目標に向かっての前進はし続けなければならないが、それが周囲から浮いてしまうことは避けたい。闘志が内にみなぎるという要領だ。半歩前の精神は大人の心得だ。そういう態度が保てる人は上司から見ても頼もしい。 いわば「クール」ということだ。熱いものは内に秘める。外見は冷静にして沈着ということ。 自分を客観視できることは肝要だ。職場の中でどう見られているか。そうした感性の鋭さ・敏感さということ。鈍感な人が居る。周囲がどうみているかなどお構いなし。昇任試験で求めているのは、天才ではない。警察という職場でさらに上の階級で、部下同僚をまとめて行ける人を求めているのだ。そこでは感性の豊かな人が良いことは疑いない。 相手の気持ちを思い図ること。日頃の仕事の仕方や職場での同僚などとの関係で、デリカシーさの感じられる振る舞いであること。こうした点は、昇任試験の前提になる日常の勤務態度や人物評価の中で重要な比重を占めている。 求める物は全て身近に存在するとも言う。どこかに自分の追い求める物があるという「青い鳥」症候群は誰にでもある。青い鳥はどんどん逃げていく。既に手の届くところにあること(仕事や幸せなど自分が大切にすべきこと万般)に後半歩の努力を加えることこそが肝要だ。 逃げないで後半歩頑張ってみようではありませんか。自分が望んでいることから逃げないことが大切だ。逃げたい心が青い鳥の幻影を呼び込むのではないか。外はよく見えるものだから。その時、半歩前の精神を思い出して貰いたい。踏ん張った人だけが手にする物は大きいのだから。頑張っていない人の誘惑の声は時に耳に心地良い響きがある。昇任したっていいことないじゃないか。責任が重くなるだけで、給与も大して変わらないし。・・・などなど。心地良い言葉は危うい。身近な所にいる青い鳥の類だ。 半歩前の精神とは幅が広く、意味するところの深いものがある。皆さんも心に触れる所のある言葉と付き合ってみてはいかがですか。 (昇任試験用依頼原稿をもとにしている)

kikitaiou at 08:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)未分類 

黄金の土地~先人の教えに学ぶ~

  ⇇応援のクリックお願いいたします。
人気ブログランキングへ


  金言、格言、昔話には人間の知恵が詰まっている。それらの内容を味わってみることは有意義だ。私の記憶に染みついた言葉で現職時代にしばしば引用したものを紹介してみたい。活用のコツを感じ取っていただきたい。
  昔、インドのお百姓さん、毎日朝から晩まで田畑で泥にまみれて働いていたが、どんなに頑張っても、生涯大した金持ちにはなれないと、いやけがさした。持っていた土地を全て売り払い、黄金の出る土地を探す旅に出た。長いことインド各地を尋ね歩いたが、黄金の出る土地は見つからず、有り金も底を突いて、ボロボロになって故郷に帰ってきた。後になって、かつて自分が所有していた土地から黄金が出た。
  青鳥の話と同じこと。幸せは足下にあるのに気付かないだけだ。・・・ということだ。どこにでもある訓話だ。どこにでもあるということは、人類共通の陥りやすい弱点ということだ。一攫千金を夢見て、こつこつ努力を積み重ねる日々の営みがばからしく思えてしまいがちなものなのだ。
   相撲界で言われる「土俵には何でも埋まっている」という教えに通じるところがある。汗を流しどんどん稽古することで強くなり昇進すれば、地位や名誉やお金も手にいれることができる・・・ということ。 
   「回れ回れぐるぐる回れ、己がくびきの導くままに」という言葉もある。石臼の周りを首のくびきに導かれてぐるぐる回っている牛。ぐるぐる回るのはいわば牛にとっての務め。誰しも自分の務めを負っている。その務めを黙々とこなしていく。その営みの大切さを表現している。またその積み重ねの重さも。
   気持ちの持ち方で全然違った様相を帯びるものだ。自分という素材をよくよく観察してみたい。一生の付き合いなのだから。そして、どうしたらその素材を最大に活かすことができるか・・・と、考えるのだ。その際、先人の知恵の詰まった言葉は、足下を照らす頼もしい拠となる。自分の癖をよくよく知り尽くして、上手に付き合おうではないか。そういう心境になるべきなのだ。多少の遊び心を伴ってだが・・・。
    昇任試験だって、直前に“ちょこっ”とやったら合格できるといったコツなど存在する訳はない。そんな魔法のような術はないのだ。しかし、あたかもそんな話が耳に入るもの。また、楽をして果実だけを手にしたいという怠け心もないわけではない。幻影の入り込む素地となる。魑魅魍魎の世界。自分を客観視してみれば、コントロールも可能になるというもの。先人の知恵はそこでの援軍ということだ。
   皆さんの宝の埋まっているのは足下の日々の職場ということ。警察の職務を全力でこなすことが最善。昇任試験の勉強もその一環だ。毎日の仕事に全力で立ち向かう以上の近道はない。回れ回れぐるぐる回れ・・・自分の職務に全力投入だ。そこで突き当たったことの根拠を確認する。考える職務遂行ということだ。そうした積み重ねを大切にしている人にとっては輝く黄金の祝福を獲得する日は近い。
   勉強していて疑問がわいたら、すかさず聞くことだ。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」。聞けば印象に残りやすい。当社のスタッフは皆さんからの電話を楽しみにしている。是非、活用して欲しい。 (昇任試験向け出版社からの依頼原稿)

kikitaiou at 08:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)未分類 

常日頃の勤務実績が決め手~客観的な視点を忘れるな~

 昇任試験に関して寄せられたアンケートを読んでの感想を披瀝したい。今年の昇任試験で合格できなった人からのものは特に注意して読んでいる。それらの多くの人が、今年こそ受験勉強に集中して合格を勝ち取るべく取り組むといった決意を表明している。それ自体は全うなことであり、本社スタッフ・職員一同、合格の栄冠を勝ち取るように全力で支援したいと決意を新たにしている。  しかし、一つ心配なのは、合格は職場での評価の集大成だという客観的な視点が前提になっているということへの言及が見当たらないことだ。この至極当然の前提が理解されているのか?いささか不安を覚えることもある(杞憂であることを祈りつつ)。 警察という組織の幹部としてどういう人を選抜するべきか。昇任試験の存在意義はその一点に存在する。当然のことながら、その選抜に組織の将来は託されている。組織存亡の要なのだ。それだけに真剣に合格者を選抜しているのだ。どういう人を合格させたらいいのか。それは、当然のことながら、単なる知識の有無といった単純なことではありえない。合格した人を見る職場のトータル評価が、あの人は、仕事もせずに試験勉強ばかりしているということであってはならないのだ。合格者を決定する前にその観点を神経質に見極めようとしているのだ。  従って昇任試験での最も重要なポイントは常日頃の仕事ぶりなのだと断言しても良い。あの人は率先して仕事で苦労している。勤務振りが他の模範とされている。彼の昇任は誰しも納得というのが理想なのだ。こうした本質を忘れてはならない。だから、昇任させたい人に「勉強しろ」「勉強しろ」としつこく言っているのだ。   試験に限らず、何事であっても。自己中心的な視点でなく、自分をあくまでも客観的に見ることのできる心がけが肝要だ。 受験勉強に集中するのは良いが、自分が周囲からどのように見られているのかという視点を欠いてはならない。  何年も不合格となっている人の中に、少なからず、自分が見えなくなっている人が存在するのではないか。   幹部選抜の昇任試験は、根底に職場での評価が存在している。ストレートに言えば、職場の同僚が納得する勤務振りであることが前提なのだ。昇任試験勉強はその日常の勤務成績の集大成なのだ。   まずは、日常の勤務に励むことだ。勤務に必要な知識、技能を修得するということ。受験のための日常の職務と遊離した知識や技能ではないのだ。勉強する際にも、取り扱った事象の中での生きた知識技能とすべく心がけてもらいたい。問題集に書かれたものとしてではなく、将来の実務に役立つものとしての理解習得に努めてもらいたい。そうした実務に結びつけた想像力が最も有効だ。もしもこういう事案に出くわしたらどう処理するかという発想だ。過去問も可能な限り自分が取り扱うことを前提に自信の持てるまで確認することが有益だ。   日常の勤務こそが最高の勉強の場だということを忘れずに、取り扱い事項に全力で立ち向かってもらいたい。それこそが本当の実力となって身につくのだから。だから、実務に直結している具体的な取り扱い要領が重要になる。分からないところは、職場の同僚・上司に聞くことだ。聞くことができることが進歩の第一歩という発想が肝要だ。聞くは一時の恥と言うではないか。聞かないこと、分かった振りをする。それこそ一生の恥だ。そんな姿勢では昇任試験の合格は到底おぼつかない。   取り扱い事項で疑問の生じた場合には、関連法規・内規・取り扱い要領などできるだけ根拠に当たって勉強するというようすることだ。そうした習慣が身につけばその人の実力は見る見る向上する。そうした実務に直結した勉強に勝る方法は無い。付け焼刃でない本物の実力はこうして獲得するのだ。    皆さんからのアンケート宝の山だ。熟読している。私の受けとめ方は一方的なもので多少的外れかもしれない。みなさんの大願成就を祈ってあえて筆を執ったしだい。その辺を忖度してお許しいただきたい。        (本文は昇任試験指導雑誌からの依頼原稿をもとにしている)

転がし運営術~上級管理論文のポイント~

   ⇇応援のクリックお願いいたします。
人気ブログランキングへ


   アンケートではその後も管理論文への注文が少なくない。警察界で模範的な管理論文が見られないという現実を反映しているのかもしれない。ある意味で金縛り状態、受身での対応で精一杯という状況は否定できない。そうであるだけにもっと本音の管理論が議論できる雰囲気になることを期待したい。少なくとも上級幹部を目指す皆さんはそうしたレベルの気概を込めた論文を披瀝してもらいたい。高得点となることは請け合いだ。  いわゆるあれはダメ、これはダメの禁句の寄せ集めで警察の管理が改善するとは誰も信じては居ないだろう。積極姿勢でのこうしたいという肯定的な管理の意欲を示すべきだ。  そこで、各自のこうしたいという積極的な提案を柱にすべきだ。昇任したら自分はこのような幹部になりたいと。その際に以下の諸点を参考にしてもらいたい。 
  1 転がす運営   組織の長としての運営にあたり、まず何よりも係員全体に目標を持たせたい。組織としての目標は、窃盗犯検挙何件というものでもいいし、他の係りとの競争に勝つといったものでもいい。係員全体にそうした意義を理解させ、皆で盛り上がる。目標達成の暁は祝賀会でもとはいかないまでも可能な限りの懸賞をおこないたい。    誰しも否定形でない、目標へ向かった元気の出る職場で勤務がしたいのだ。幹部としての皆さんはそうした気持をどのようにして演出するかを語って欲しい。幹部とはオーケストラの指揮者なのだ。指揮者は団員一人一人の体調から性格までを見極める目が勝負だ。時には大げさな渾身の演技で団員の心をわしづかみにする。一人一人に目配せする。手も指も、時には体全体を使って識者の気持を団員に伝える。こうした人心掌握術は職場の管理者も同じなのだ。私はこうした運営を転がす運営と言っている。組織全体を目標に向かって突き進むイメージだ。    一人ひとりには悩みもあれば調子の良くない時もある。しかし、そうした個別の要素を大きく包んで、組織全体は大きな集団として、転がっていくという感覚的なとらえ方だ。車の運転での車両感覚という認識に近い。
  2 語りかけ   幹部の根底は部下に対する語り掛けにある。勿論、黙って背中を見て来いといった管理もある。これはよっぽどの力量のある幹部にして使い得る上級の管理術だ。そうした例外は別にして、基本は語り掛けだ。   いかに効果的に部下に語りかけるか。その思いで研鑚しているというトーンの決意表明を薦めたい。一人ひとりの部下同僚などの観察、声掛けへの反応。さまざまな積み重ねで、こうした同僚・部下の掌握力を磨いているとも。   適時適切な声かけ。とくにその効果の確認。こうした幹部になる日のための準備状況を披瀝するのだ。
  3 具体的不祥事など   経験した不祥事などを取り上げ、その検討から、特に問題点を抽出する。そして、それらは提案し、目指している積極的な転がす運営によってこそ、防止することができる。自分は是非そうした運営を実践したいと決意を語って欲しい。
  4 性善説か   否、性善説ではない。組織として排除しなければならない人はいる。しかし、それは最小限にしたい。暖かく包み込みながら、しかし、決断する時には厳正に。信賞必罰の必要性を確認すべきだ。
  5 個人としても目標を   若い人はワークライフバランスを重んじる傾向を強めている。これは肯定すべきだ。その上で、個人としての目標を見つけさせ、それを支援するという職場の雰囲気の醸成に努めたい。   管理論は尽きる所、あなたの幹部としての資質を見極めたいという意図で出題されている。そうした意図を理解して誠実に、自分の言葉で決意を語ることだ。採点者の胸にすとんと落ちるものが最高の管理論文といえる。   

ギャラリー
  • 麗澤大学での最終講義
  • 麗澤大学での最終講義
  • 久しぶりの東大駒場キャンパスでの一日
  • 久しぶりの東大駒場キャンパスでの一日
  • 久しぶりの東大駒場キャンパスでの一日
  • 久しぶりの東大駒場キャンパスでの一日